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KDDI、高齢者にスマホ2年間貸与の実証実験、情報格差解消に向け渋谷区と取組み

 KDDIと渋谷区は、高齢者に無料でスマートフォンを貸し出し、情報格差(デジタルデバイド)を解消する実証実験を開始した。期間は2023年8月末まで。

 渋谷区が募集した、65歳以上でスマートフォンを所有していない約1700人を対象として、スマートフォンを無償で貸与する。

 アプリの利用履歴、参加者に向けた勉強会などのアンケートから個人を特定できない形で利用状況を可視化し、高齢者のスマートフォン利用の活性化へ向けた課題を抽出。それらからスマートフォンの利用状況や意識の変化を確認し、スマートフォン利用促進のためのサポートを実施するとしている。それらからスマートフォンの利用状況や意識の変化を確認し、スマートフォン利用促進のためのサポートを実施するとしている。

 あわせて、同実証実験専用のコールセンターが用意され、遠隔で参加高齢者のスマートフォンを操作しながら利用方法を伝えることで、操作を教えてもらう機会が少ないという課題の解決を狙う。

スマートフォン勉強会の様子
左=同実証へ協力の井上順氏。右=渋谷区長 長谷部健氏

 スマートフォンは2年間、無料で貸与される。渋谷区に住居する65歳以上の高齢者4万3000人のうちおよそ25%はスマートフォンを所持しておらず、災害時の避難情報などがリアルタイムで得られにくい可能性があり、実証の中では渋谷区防災アプリの使い方なども学べる。

 新型コロナウイルスの影響によりオンライン申請など、非接触型サービスの重要性が高まる中、使い方を教えてもらう機会が少ないという高齢者へのスマートフォン普及の課題の解決を図り、スマートフォンデビューした高齢者を個々の利用状況に合わせて継続的にサポート。これにより、スムーズに使いこなせる環境づくりを目指すという。