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KDDIなど3社、水素で発電・走行する移動電源車の実証実験

 KDDI、トヨタ自動車、デンヨーは、水素を動力源とする電源車(FC電源車)で基地局へ電源を供給する実証実験を実施した。

 FC電源車は、水素が動力源の燃料電池車。実証に用いられた車両は、トヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」のものをベースとしたシステムが用いられており、120kmほど走行でき最大で72時間程度、基地局へ給電できるという。

 走行中や発電中にも、現在移動電源車で使用しているディーゼル車と異なりCO2を排出しないなどのメリットがある。今回の実験では、800MHz帯の基地局に対して、Co2排出量を削減し安定的な給電が可能なことを確認した。

 電源供給設備の操作性についても、従来の移動電源車と比較して、簡易なものとなり、始動、給電、停止の作業に専門知識を必要としなくなった。さらに短時間の操作で給電を開始できるため、災害時などにもより迅速に対応できる。

 このほか、静粛性も向上しており、従来の移動電源車が掃除機レベル(70.1db)の音を発していたのに対して、FC電源車は会話レベル(58.8db)に抑えられている。

 3社は今後、より高い周波数を用いる基地局に対してのFC電源車による、安定的な電源供給の実現や従来型の電源車に代わってFC電源車の本格導入を目指すとしている。