ニュース

ドコモや神大など手術支援ロボット「ヒノトリ」5G遠隔操作、世界初の実験

 NTTドコモ、神戸大学、メディカロイドは、国産手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム(以下、ヒノトリ)」の遠隔操作の実証実験を開始したと発表した。商用5Gネットワークを介した手術支援ロボットの遠隔操作の実証実験は世界初となる。

 「ヒノトリ(hinotori サージカルロボットシステム、hitonori)」は、近年の手術支援ロボットのニーズに向けて開発され、2020年8月に、国産としては初めて製造販売承認を取得した。

 今回の取り組みは、ネットワークを介して手術支援ロボットで治療を行う「遠隔ロボット手術」で“日本の外科医療の均てん化”を目指す。ここで言う均てん化とは、場所にとらわれず、誰もが同じ医療レベルの恩恵を受けられるようにすること。たとえば熟練した医者による地方の外科手術や、地方にいる若手外科医に対して遠隔で指導したり支援したりするなど、物理的な距離の制約を取り払い、医療のサービスの地域的な格差をなくす。

 今回、メディカロイド製の国産初の手術支援ロボット「ヒノトリ」と、ドコモの商用5Gとクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」および「クラウドダイレクト」を用いて、神戸医療産業都市にある神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)と、統合型研究開発・創出拠点(MeDIP)を結び、遠隔操作に必要な高精細な手術映像(3D)とロボットの制御信号をリアルタイムに伝送することで、模擬手術を行う実証実験に成功した。

 3者および神戸市は今後も、「神戸未来医療構想」の枠組みでの取り組みを進めるとともに、神戸医療産業都市に参画している企業をはじめ、全国の関連する企業、大学などとの連携を強化し、日本発の新たなイノベーションの創出をめざすとしている。