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Arm、10年ぶりの新アーキテクチャー「Armv9」を発表

 Armは、新たなアーキテクチャー「Armv9」を発表した。今後、2021年後半には同アーキテクチャーを搭載したスマートフォンの出荷を見込んでいる。

 Armv9は、Armの最新型アーキテクチャー。現世代のArmv8から10年ぶりの刷新となる。同社では、3000億個の最先端のArmベースチップを支えるもので、汎用コンピューティングの経済性、設計の自由度、入手の容易さなどの優位性があり、用途に特化した処理を実現するという。

 データ保護としてArmv9では「Arm Confidential Copmute Architecture」(コンフィデンシャル・コンピューティング・アーキテクチャー:CCA)を導入。ハードウェアをベースにしたセキュアな緩急で演算を行い、ソフトウェアにより使用中の一部のコードやデータへのアクセス、変更を阻止できる。

 Realm(レルム)の動的作成を新たにサポート。たとえば業務用のソフトウェアでは、レルムによって使用中・待機中・移動中の機密データやコードを保護できるとしている。

 また富士通との協業でScalable Vectro Extension(SVE)を開発。Armv9ではこれをベースとしたSVE2が採用されており、これまでよりも幅広い機械学習やデジタル信号処理において優れたパフォーマンスを実現するという。

 画像処理やスマートホーム用のアプリケーション、XRや機械学習において処理能力が強化され、Armでは今後MaliとEthosで進めているAIの新技術と併せてCPUの行列乗算機能を強化し、AI機能を発展させていくとしている。

 Armでは今後、次の2世代のモバイル・インフラストラクチャーCPUでは、性能を30%以上向上させるとしており、自動車やIoTなど同社がサポートする製品全体を通じて「Total Compute」の設計思想を取り入れ、キャッシュサイズの向上やメモリーレイテンシーの低減を通じてArmv9ベースのCPUの性能向上のための技術開発に取り組んでいくとしている。