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「ベース価値向上+独自サービス」で”mineoらしさ”極める、新プランのコンセプトとは

 オプテージは、同社のMVNOサービス「mineo」において新料金プラン「マイピタ」を発表した。2月1日から提供を開始する。

 発表の場には、オプテージ 代表取締役社長の荒木誠氏、同 モバイル事業戦略部長の福留康和氏が登壇した。

左=オプテージ 荒木氏 右=同 福留氏

 荒木氏は新型コロナウイルスの状況に触れつつ「社会のデジタル化が加速している。オプテージでも社会の変容に寄与、期待に応えるためさまざまなソリューションを展開してきた。mineoのブランドステートメントは『Fun with Fans』。他社にない価値を追求してきた」とコメント。モバイル事業におけるユーザーの期待への応えが今回の発表だと語った。

独自サービスで唯一無二のポジション

 福留氏は、2020年のmineoについて厳しい競争が続いた中「競争戦略の深化」と「ベース価値の追求」というスローガンの下で、独自性を打ち出してきたことを紹介。

 mineoでは、手頃な価格の追求に加えて、混雑時間帯に通信帯域の混雑緩和を目的とした「ゆずるね。」や通信速度が最大で500Kbpsに制限されるかわり、通信容量使い放題になる「パケット放題」など、他社には独特のサービスを展開してきた。

 加えて、パケットをシェアできる「フリータンク」や災害時のパケット共有「災害支援タンク」なども提供している。

 大手キャリアのサブブランド投入などで、MVNO市場全体が苦境にあるものの、mineoの契約件数は順調に推移していると福留氏。現時点でおよそ121万回線の契約を有しているという。

ベース価値を刷新

 同社が掲げる今年の戦略は「ベース価値の刷新」。これまで培ってきたファンとのつながりやmineoの独自性はそのままに、ベース価値に磨きをかけることで、さらに独自のポジション確立を目指すと福留氏は語る。

 リモートワークの定着や節約志向の高まり、よりシンプルでわかりやすい料金が求められるなど、ニーズに変化が見られるという昨今。

 福留氏は現状のmineoのプランを振り返り、トリプルキャリア対応を進めていく中で、同じ容量であってもキャリアごとに料金が異なり、わかりにくくなっていたと指摘する。加えて、大手キャリアを中心に容量無制限や定額メニューへの均一化、20GBで2980円という新たな料金基準が生まれたと分析。

 大容量帯は競争が激化する一方で、総務省の調査によると、実際に大容量の通信を利用するユーザーは少数にとどまるという見方もある。mineoの場合、ユーザーの9割超が10GB以下の契約だという。

4種の容量、料金は各キャリアで統一

 こうしたことから、低~中容量帯にもニーズは存在すると福留氏。こうした背景から新プラン「マイピタ」の提供に至った。

 従来、キャリアごとにばらばらだった料金は容量ごとに統一。容量のバリエーションも従来の6種から4種に絞ることで簡素化し、わかりやすさを重視した。

 旧プランと比較しても、たとえばau回線で500MBで1310円だったところ、マイピタでは1GBで1180円と容量を増やしつつも料金は低廉化した。

 また、これに加えてデータ通信プランも同様に刷新され、1GBで800円から利用できる。ユーザーから音声通話は必要なく、データ通信だけできればいいという声もあって、生まれたものという。

 今回は4種の容量バリエーションからのスタートだが今後、ユーザーがさらなる容量の選択肢を求める場合、福留氏は柔軟に応じていくとした。また、今回には間に合わなかったとしながらも規定の容量ごとに料金も段階的にステップアップしていくシステムの導入も今後、検討しているという。

ファンとのつながりを大切に

 ベース価値に加えて、サポート体制、独自サービスの提供、ファンとの共創がmineoの特長と福留氏。

 Webや電話、店舗でのサポートを続けながら、独自のサービスも提供し続けていくことで「mineoらしさを極めていきたい」と語った。

 これに加えて、ユーザーとの意見交換で一緒に「次の『新しい』を作る」ことについても継続していく。今回のマイピタもユーザーからのさまざまな意見をもとに作られた。「今後もファンの声を聞きながら、『これならほしい』というものをつくっていきたい」と展望を示した。

 荒木氏は「モバイル市場はMNO値下げのみならず、5Gでリッチコンテンツも増える。デジタルトランスフォーメーションによる社会の移り変わりが来る。いろいろな意味で大きな転換点が来る。mineoはこれをチャンスとしていきたい」とコメントした。