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COCOA利用率が4割+6割の外出自粛で感染半減——日本大学生産工学部がシミュレーション
2020年7月31日 15:48
日本大学生産工学部は、マネジメント工学科の大前佑斗氏および豊谷純氏、電気工学科 原一之氏、医学部 權寧博氏らが共同で、新型コロナウイルスの陽性者との接触確認アプリ「COCOA」による、新型コロナウイルス感染者数の削減効果をシミュレーションし、その結果を発表した。
シミュレーション条件として、会社員や学生など職業属性を有する1000人のうち10人を新型コロナウイルスの感染者として設定し、会社に出勤する、学校に通学する、スーパーへ買い物に行くなど、一般的な生活を1カ月間実施した。
このシミュレーション環境の中で「COCOAアプリの利用率」と「感染者と接触したことを知った人が外出を控える度合い」を20%ずつ変化させながら反復的に実施し、その後各条件ごとに新型コロナウイルスの累計感染者数を算出した。
シミュレーションの結果では、新型コロナウイルスの累計感染者数を半減するための条件として以下の3つのパターンが算出された。
(1)人口の80%がアプリを利用し、接触者は外出を20%控える。
(2)人口の60%がアプリを利用し、接触者は外出を40%控える。
(3)人口の40%がアプリを利用し、接触者は外出を60%控える。
(1)のように、アプリの利用率が80%に達することは難しいと考えると、「約半分の人々がアプリを利用し、感染者と接触したことを知った人が外出を半分にできれば、累計の感染者は半減する」という感染者数削減のための目安が明らかになったという。
より達成しやすい条件として、累計感染者数を3分の2に減らすことを目標にすると、これを達成するための条件として、以下の3つのパターンが算出された。
(1)人口の40%がアプリを利用し、接触者は外出を40%控える。
(2)人口の60%がアプリを利用し、接触者は外出を20%控える。
(3)人口の20%がアプリを利用し、接触者は外出を80%控える。
(1)は、感染者を半減させることを目標とした場合の基準をやや緩めたものとなる。(2)人口の約半数がアプリを利用すれば、接触者が外出を少し控えるのみで良いが、(3)ではアプリの利用率が低ければ、接触者は極端に外出を減らさなければならないことを示している。
今回の研究では、1000人規模の小規模な人工社会でのシミュレーションに基づいた分析にとどまるが、今後は現実の人口や地図データを用い、より実測に則したシミュレーションを行うほか、COCOAアプリの効果に加えて、その他の感染拡大対策(3密の回避、マスク着用、店舗の営業自粛、医療リソースの確保)などを複合的に考慮したシミュレーションを計画しているという。