ニュース

【今日は何の日?】国内携帯事業者間のSMS相互接続サービスを開始

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 9年前の2011年6月1日、国内携帯各社が、SMSの相互接続サービスを開始すると発表しました。

当時のSMSは、通信事業者を超えて送受信できなかった

 SMSは、短い文章を中心にやりとりするサービス。電話番号を使用してメッセージをやり取りできる。パケット通信ではなく、電話回線を使用する。

 日本を除いた世界の主要国ではSMSの規格が統一されており、通信会社や国を問わずに電話番号1つでやりとりできるため、早くから主要な連絡手段として利用されている。

 日本では事業者を超えて送受信することができず、連絡手段としては中途半端なものとなっていた。また、携帯番号だけで送信できるため、広告などの迷惑メールが頻繁に届き、SMS自体を受信拒否するユーザーも多かったようだ。

 2011年7月から、事業者間接続を開始。ようやく連絡手段として利用がしやすくなった。

SMSの現在の使われ方

iPhoneでのSMS受信例。

 電話番号しか知らないユーザー同士の場合、ちょっとした連絡に手軽に使用できるのがSMSの魅力の1つである。

 しかし、相互に送受信できるようになった現在も、SMSを連絡手段として使う人は少ない。LINEなどのSNSが普及している現在において、わざわざSMSを選択することはあまりないだろう。連絡手段よりも頻度の多い使用方法としては電話番号確認や二段階認証で使用する機会が多い。

 二段階認証は、IDやパスワード以外の方法で本人確認する方法。SMSを使用する二段階認証は、登録の携帯番号に固有の英数字列をSMSを送信して、それを認証画面に入力する方法。Amazonなどで採用されている。

 電話番号確認も登録している電話番号に英数字列が送信され、それを入力するのは変わらない。ただ、目的は本人確認よりも電話番号が本人のものか確認するために使用される。比較的すぐに作成できるメールアドレスよりも、取得に手間と時間がかかる電話番号を使って、1人が大量にアカウントを作成するのを防ぐために行われる。チケットサイトでは、大量にアカウントを作成して人気チケットの当選率を上げたり、高額で転売するダフ屋行為を防ぐためなどに利用される。

SMSの進化形

 現在、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社ではSMSを強化した新たなメッセージングサービス「+メッセージ」(プラスメッセージ)を提供した。従来のSMSの進化形という位置づけであるが、SMSも並行してサービスを継続する。

 +メッセージはRCS(リッチコミュニケーションサービス、Rich Communication Services)という規格に準拠する。同規格は、SMSに続く世界標準のコミュニケーションツールとして期待されているが、こちらはパケット通信を使用する。動画や長文など今までのSMSで送れなかったデータを、携帯番号のみで送ることが出来る。

その他のできごと

 ちなみに、6月1日ときりのいい日付であるため昔から法律が施行されたり、会社の設立などが比較的多い。

 携帯電話関連では、今から70年前の1950年に電波3法が施行され、無線通信が一般に開放されたり、36年前の1984年には、現在のKDDIの前身のひとつとなる第二電電企画が設立された日である。