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グーグルが新型コロナに関する検索の推移を公開――「ネットスーパー」などが伸びるも季節イベントへの関心は変わらずか

 グーグルは、同社の「Think with Google」において、3月22日現在の情報をもとに新型コロナウイルスに関連した検索の動向を公開。ユーザーの検索ワードの移り変わりから世の中の新型コロナウイルスへの関心の度合いや移り変わりなどの分析結果を示している。

最初のピークは1月下旬頃

 グーグルによると、日本国内において最初に新型コロナウイルスについての関心が目立ち始めたのは1月下旬。中国の国家衛生健康委員会が「人から人への感染が認められる」と発表したことや中国国内での死者が増加し始めた辺りだ。

 日本国政府のチャーター機による武漢在住の日本人が帰国すると同時に国内メディアが一斉に報じ始めたことを要因の1つとGoogleでは捉えている。1月30日に検索数は最初のピークを迎え、2月27日には休校要請やイベント自粛などを受けて再び検索数が増加したという。

ネットスーパーやキャンプなどのワードに伸び

 休校要請後に「ネットスーパー」の検索が大きく伸びたという。恐らく共働きの家庭などを中心に子供の昼食のため、また「外出を控えよう」という意識が高まった結果と推測される。

 このほか、グーグルでは石鹸や洗剤などの日用品や「テイクアウト」という検索ワードにも伸びがあったとしている。

伸びた検索ワード一覧(順不同)
ネットスーパーテイクアウト
持ち帰りお持ち帰り/近くの店
レシピ/検索学童
オンライン学習バランスボール
ビリーズブートキャンプキャンプ

 さらに、休校中の学習ニーズとしての「オンライン学習」や余暇を過ごすためのゲームや漫画を検索する傾向も高まった。リモートワークで家にこもりがちな状況を反映してか「バランスボール」「ビリーズ・ブートキャンプ」などが高まったのも特徴的だ。

 旅行に関するワードは、国内旅行については変化が見られないものの、「キャンプ」は上昇しているという。一部報道によれば、人混み避けようとキャンプ場へ行くという人が少なくないらしく、オフシーズンながらテントだらけになっているキャンプ場もある。これらの報道を見て、キャンプ場への興味の高まりや自らも避難を計画して検索したという可能性も否定できないのではないだろうか。

季節イベントへの関心は変わらず

 ネットスーパーやキャンプといった検索ワードが上昇を見せる中、「卒業式」は多少の増加があるものの季節イベントは例年と変わらない推移という。特にホワイトデーに関連して「お返し」や「人気」「チョコ」などというワードは大きく伸びてはいないとした。

 グーグルでは、卒業式は、「中止」など今年特有の検索が上乗せされた結果はあるとしながらも、「服装」「髪型」「袴」など大部分が例年通りのワードとともに検索されていると季節性のイベントに対する関心度合いは変化していないと分析している。

適切な知識を得て対処しよう

 検索ワードの推移から関心の移り変わりを見ると、政府の要請を含めた状況の変化に対応するための知識や情報を得ようとしているようだ。

 現在の日本は一部の買い占めなどを除いて、目立った混乱は見られずおおむね正常に社会が機能している。卒業やホワイトデー関連のワードが著しい減少などを見せていないことから、人々の心理は「コロナは怖い」と思いつつも、日常を失うまでのパニックには至っていない。

 政府は31日、プラットフォーマーや携帯電話事業者に対して、統計データの提供を要請した。位置情報と連動し、新型コロナウイルス関連のワードが急上昇した地域を特定し、パンデミック対策などに活用する狙いだ。

 スマートフォンの普及により、インターネットが浸透する現在、検索動向の推移は社会そのものを表していると言えるかもしれない。デマの発信や信憑性が定かではない情報も氾濫する中、適切な知識を得て、ウイルスに立ち向かっていくことが重要だ。