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シャープ、8Kカメラの5Gスマホ「AQUOS R5G」
2020年2月17日 10:30
5G時代に向けた8Kワイドカメラ
シャープ初の商用5Gスマホとなる「AQUOS R5G」は、8K(7680×4320)というサイズの写真や動画を撮影できる“8Kワイドカメラ”を搭載する。
5Gの特徴のひとつである「高速・大容量」を活用し、映画など大容量のダウンロードだけではなく、8Kで撮影したデータもクラウドストレージや、SNSなどへアップロードできる。
8Kワイドカメラで動画を撮影すると、独自開発のAIが被写体の人やペット(犬、猫)を認識し、再生中にズームしてくれる「フォーカス再生」機能も搭載する。注目したい被写体にクローズアップしてくれることで、スマホを構えるだけで撮影した場合でも、より楽しめる内容に仕上げてくれる。被写体が大きく、かつ中心で捉えていると、「フォーカス再生」でズームしてくれるという。
同社ではかねてより、従来よりも通信速度がアップする5G時代を見据え、動画コミュニケーションに注力してスマートフォンの開発を進めてきた。そうしたコンセプトは「AQUOS R5G」において、「8Kワイドカメラ」とAIによる「フォーカス再生」という形になったことになる。
4眼カメラを採用
ハードウェアとしてのカメラは、8Kのスーパーワイド(広角120度、48メガピクセル)、ズーム(望遠44度、焦点距離52mm相当、12.2メガピクセル)、標準(広角78度、12.2メガピクセル)の3眼。さらに深度測定のToFセンサーも備える。
標準カメラのセンサーは1.4um、デュアルピクセル、レンズはF1.7で、光学手ブレ補正や全面位相差の高速オートフォーカスをサポート。またズームカメラはハイブリット16倍ズームでF2.7、光学手ブレ補正対応となる。
動画撮影中に写真を自動的に記録する「AIライブシャッター」や、動画をコンパクトに自動編集してくれる「AIライブストーリー Pro」を採用。AIライブストーリー Proは「AQUOS R3」に搭載された同様の機能をもとに、よりハイクオリティな演出を採り入れた。
ToFカメラを活かして、ポートレートモードなどでは被写体の背景をきちんとボカして撮影できる。アップデートによりAR Coreにも対応する予定。
インカメラは16.3メガピクセル、F2.0で、美顔モードに対応。顔認証も利用できる。
約6.5インチのPro IGZOディスプレイ
約6.5インチのPro IGZO液晶ディスプレイを搭載。明暗差の激しい場面でも白飛びせず、暗い場所をきちんと描けるHDR規格の「Dolby Vision」をサポート。10億色で表現する。
120Hz駆動により、滑らかな表現を実現しつつ、静止画など画面表示が止まっている状態では電力消費を抑えるアイドリングストップ機能を備える。
最大輝度1000cd/m2となり、強い日差しでも見やすいディスプレイとなった。この明るさは有機ELでは実現できないものという。HDR映像を表現する際にも最大輝度の向上は力を発揮する。
シャープでは、多くのユーザーにとって、比較的顔の近くで目にするスマートフォンのディスプレイこそ、自宅にあるテレビよりも、体感上では大きなサイズになると指摘。動画配信サービスもスマートフォンでの利用が増える中、省電力かつ高画質を実現するディスプレイに仕上げた。
照度センサーに代わって本体に備え付けられたRGBセンサーは、周囲の色温度が変わった際に活躍する。もし色温度が変われば、ユーザーにとってはディスプレイの色味も変わるように感じられる。しかしそれでは、映像制作者が意図した色合いが変わってしまうことになる。
そこでRGBセンサーで周囲の変化を感知すると、Pro IGZOディスプレイの色味も変化させ、ユーザーの目にとって「ディスプレイの色が変わっていない」ようにしているという。シャープでは「環境適応型リッチカラーテクノロジーモバイル」と名付けている。
主な仕様
チップセットは、クアルコム製の「Snapdragon 865」(2.8GHz+1.8GHz駆動、オクタコア)、メモリは12GB(DDR5)、ストレージは256GB(UFS3.0+WriteBooster)。OSはAndroid 10で、今後2回のバージョンアップが保証される。大きさは約162×75×8.9mm、重さは約189g。
GPSはデュアルバンド対応で、Wi-Fi 6(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)もサポートする。バッテリー容量は3730mAh、防水・防塵(IPX5・IPX8/IP6X)性能を備える。おサイフケータイ(NFC対応)も利用できる。生体認証は顔認証、指紋認証が利用できる。
放熱仕様として、新たに純度97%の銅素材を活用する。これまでもCPUの上部に設置する放熱材には純銅が用いられてきたが、今回、基板の裏にあるチップを覆うシールドケースに純銅を用いており、放熱性能を高めた。
また「AQUOS zero2」に続きパラレル充電が採用されている。
5Gの通信規格としては、いわゆるSub6(n77、n78、n79、6GHz未満の周波数帯)と呼ばれる周波数帯をサポートする。