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ドコモとタカラトミーのダンボールロボットキット「embot」、葛飾区のプログラミング教育に導入

 NTTドコモ、タカラトミー、葛飾区は、2020年度から必修化されるプログラミング教育に向けて、ダンボールロボットキット「embot」を授業に活用していく覚書を締結した。

embot

 embotは、ドコモの新規事業創出プログラムにおいて開発された、ダンボールでロボットを組み立てながら、プログラミングを学べるロボットキット。タカラトミーが製造と販売を担当する。ダンボールを組み立てながら、モーターなどを組み込み、タブレットでロボットを動かすプログラムを作成することで、プログラミング学習ができる。

プログラミング教育に向けた協働事業
embotのプログラミング学習の流れ

 embotのプログラムを組む画面は、オブジェクトを組み合わせる形の直感的な操作ができる画面設計となっている。

プログラムを組む画面
音を鳴らすこともできる

 区内の小学5年生の授業を対象に導入される。すでに各校に40台のWindowsタブレットが導入されていて、クラスごとに端末を共有しながらプログラミング授業が行われる。まずは2019年度中に1校で先行的に授業が行われる予定。必修化を前に、教員向けの研修が2020年2月に行われ、本格導入に向けた準備を始める。

 自由にデザインできるロボットのダンボール部分は、児童全員分用意され、ロボットの動作部品となるコアやモーターなどの電子部品は、全員分ではなく、導入されているタブレット台数と同じセット数が用意される。

ダンボールは、児童が自由にデザインできる

 葛飾区は、補正予算として、embot(6600円×1980セット)1306万8000円、児童全員分の組み立て用ダンボール(10組1セット、5500円×174組)95万7000円を計上する。

 ドコモとタカラトミーは、キットの提供だけでなく、授業への導入に向けて、教員研修や出張授業も行う。今後は他学年に向けた授業カリキュラムなどを検討していく。この取り組みによる実践結果を今後の製品開発に生かしていくという。

地元企業のタカラトミーとタッグ

葛飾区 区長の青木克徳氏

 葛飾区 区長の青木克徳氏は、タカラトミーとの協働について「これまでもいくつかの課題について、タカラトミーと取り組んできた。区民との協働をいつも掲げており、区民には地元企業も含まれる。地域の皆さんが力を合わせることによって、地域また企業の発展につながる。そうした取り組みを積極的に行っていきたい」とした。

 embotがプログラミング教材として採用された理由としては、葛飾区の担当者によると「教育現場から求められているのは、いろいろな授業で使える汎用性。embotは、組み立てる際には図工の授業、音を鳴らせるプログラミングができることから、音楽の授業でも使える」こうした点から採用にあたったと説明した。また地元企業となるタカラトミーが販売することも一つの理由とした。

 今回は、葛飾区への導入が決まった形だが、NTTドコモの担当者によると、全国の支社で各自治体に向けて導入の提案をすすめており、すでにスポット的な導入や一部の自治体から受注が来ているという。2020年度のプログラミング教育の必修化に向けて、時間は限られているが、担当者は「まだ教育現場は待っている状態が多い。2020年から火が付くと思うので、そこから提案をさらに進めていく」と説明した。

embotを体験する青木氏