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新型ゲーミングスマホ「ROG Phone II」、初代からの進化点は?

 ASUS JAPANは、SIMロックフリーのゲーミングスマートフォン「ROG Phone II」を11月22日に発売すると発表した。価格は512GBモデルで10万5500円(税抜、以下同)。

ROG Phone II

 同機種は1年前に発売された初代「ROG Phone」の後継機となり、基本性能だけでなく、ゲーミングスマホ特有の機能なども進化している。

 本記事では初代「ROG Phone」から進化した点を中心に、新型「ROG Phone II」の特徴を紹介する。

国内初の「Snapdragon 855 Plus」と1TBストレージを搭載

 まずは基本性能の進化からチェックしてみよう。プロセッサーを見てみると、初代ROG Phoneでは「Snapdragon 845」をオーバークロックしたカスタムバージョンを搭載していた。ROG Phone IIは最新の「Snapdragon 855 Plus」を搭載しており、日本国内で販売される機種としては初となる。

 Snapdragon 855 Plusは、2019年夏モデル~冬モデルのハイエンドモデルで多く採用されている「Snapdragon 855」のマイナーチェンジ版。CPUクロックの向上(2.84GHz→2.96GHz)が注目されがちだが、ASUSの担当者によれば、ゲームで重視されるグラフィック性能こそ、Snapdragon 855 Plusを採用したことによる恩恵は大きいという。

 メモリ(RAM)も8GBから12GBに増え、内部ストレージはUFS 2.1からUFS 3.0に変わり高速化された。ストレージ容量は512GBと1TBの2種類が用意され、1TBストレージも国内で正規販売されるスマートフォンとしては初。バッテリー容量も4000mAhから6000mAhに増えた。

より速くなったディスプレイとタッチパネル

 画面サイズは6インチから6.59インチに拡大された。アスペクト比も19:9から19.5:9に変わったため、横幅はほぼ変わらず、縦に少し画面が伸びた形だ。引き続き有機ELを採用し、画面解像度は2340×1080ドット(フルHD+)となっている。

 ゲーミングスマートフォンには、状況を遅延なく映し出す高速ディスプレイ、そして操作に対して速やかに反応する高速タッチパネルが求められる。

 ディスプレイのリフレッシュレートは90Hzから120Hzに変わり、残像感をより抑えられる。ディスプレイ単体での応答速度は初代ROG Phoneと同等の1msをキープ。タッチパネルのサンプリングレートは240Hzに上がった。

 120Hz駆動のディスプレイ、240Hzのタッチパネルというのはあくまで「1秒間に画面表示を何回更新できるか」「1秒間に何回タッチ操作の検出を行うか」を示すもので、表示遅延や入力遅延とは別に考える必要がある。

 ROG Phone IIの場合は、タッチしてから画面が反応するまで、つまり端末全体としての応答速度が「タッチ反応速度」として公表されており、その数値は49ms。カーネルレベルでタッチ操作を最優先に伝達する設計とし、75~87ms程度だという通常のスマートフォンよりも素早い操作を可能にする。

高性能化には付き物の「発熱」対策

 高性能化されたスマートフォンでは共通の課題となる発熱対策にも、高負荷が長時間続く利用シーンが想定されるゲーミングスマートフォンであるだけに力を入れている。

 3Dベイパーチャンバーを用いた冷却システムの基本を踏襲しつつ、筐体内部の設計を見直した「GameCool II」システムを採用。3Dベイパーチャンバーと銅製ヒートシンクを組み合わせ、バックカバーの排気孔から熱を逃がす。

 同梱される外付け冷却ファン「AeroActive Cooler II」は、初代ROG Phone用のAeroActive Coolerよりも冷却性能を上げつつ静音化。端末の表面温度を最大5度下げられる。

 また、長時間遊ぶ際には充電しながら操作することもあるだろう。一般的に、充電中に高負荷をかける動作は特に発熱しやすいが、ROG PhoneやROG Phone IIに搭載される「ROG HyperCharge」という急速充電機能は充電中の発熱を抑えた仕様だ。

 ROG HyperCharge使用時には、端末内の充電ICだけではなく、専用充電器に組み込まれた充電ICを使い、発熱を分散させる。

疑似トリガーボタン「Air Trigger II」などの独自機能を改良

Armoury Crate

 ROG Phone IIには、ゲームプレイを支援するさまざまな機能が搭載されている。

 従来モデルでは「Game Center」と呼ばれていた管理アプリは、パソコン向けのツールと同名の「Armoury Crate」に変更。ゲームごとに細かな動作設定ができる。

 端末の側面をタップしてゲームパッドのトリガーボタンのような操作ができる「Air Trigger II」は、従来のAir Triggerと比べて、反応速度を63msから20msに短縮。また、左右どちらかだけの設定やスライド操作の設定も可能になった。

 「DTS:X Ultra」対応のデュアルスピーカーを引き続き搭載し、さらに、バイブレーションにも広がりを持たせた「デュアルサラウンドバイブレーション」を搭載。対応タイトルで更なる臨場感を演出する。

Auraライト

 ゲーミングデバイスらしいデザインの一部となっている背面LED「Auraライト」は、ゲームプレイ中だけでなく、着信通知など設定次第でさまざまな使い方ができる。なお、この機能は初代ROG Phoneもアップデートで対応している。Auraライトの色などの設定は共有することもでき、たとえば複数人で大会に参加する際などに、お揃いのチームカラーに設定するといった使い方も手軽にできる。

専用アクセサリーも進化、「2画面+コントローラー」が可能に

専用アクセサリー

 ROG Phone IIの機能を拡張する主なアクセサリーは、「TwinView Dock II」「ROG Kunai Core Gamepad」「ROG Phone II Lighting Armor Case」「Mobile Desktop Dock」「ASUS WiGig Dock」「ASUS Professional Dock」。

 このうち、「Mobile Desktop Dock」「ASUS WiGig Dock」「ASUS Professional Dock」については初代ROG Phone用の物をそのまま使用でき、引き続き販売される。

TwinView Dock II

 ROG Phone IIとともに発売される新型アクセサリーを紹介しておくと、まず「TwinView Dock II」はサブディスプレイを追加するアイテム。対応タイトルでは2つの画面を使った情報表示が可能になり、非対応の場合も2画面で別々のアプリを表示させることができるため、たとえばゲーム画面を見ながら攻略情報を確認できる。

ROG Kunai Core Gamepad

 「ROG Kunai Core Gamepad」は、画面の左右にアナログスティックや十字キー、ボタンを追加できるアイテム。「ROG Phone II Lighting Armor Case」はROGの世界観を表現したデザインの保護ケースで、ケースを装着したままAuraライトも楽しめる。

 初代ROG Phone用の「TwinView Dock」とコントローラーは同時に装着できない構造となっていたが、ROG Phone IIでは2画面+コントローラーの同時利用も可能だ。

2画面+コントローラーで携帯型ゲーム機のようなスタイルに

512GBモデル同士の比較では昨年より値下がり

 最後に価格について触れておくと、ROG Phone IIの価格は、512GBモデルで10万5500円、1TBモデルで12万5500円。

容量によって背面の仕上げが異なる。512GBモデルは光沢、1TBモデルはマット仕上げ

 参考までに、2018年11月の「ROG Phone」発売時の価格は11万9500円で、同容量の512GBモデル同士の比較では昨年より値下がりしている。専用アクセサリーの価格や数量限定のセット価格など、詳細は別の記事を参照いただきたい。