ニュース
着信音のかわりに「着信動画」、写真を撮るだけで買い物――ファーウェイのEMUI 9のちょっと気になる機能
2019年7月19日 06:00
EMUI 9を搭載した同社のスマートフォンのユーザー数が世界で1億人を突破した。16日には「Mate 20 Pro」へのEMUI 9.1へのアップデートの提供が開始されている。
ファーウェイのAndroidスマートフォンに搭載される「EMUI」というUI。このEMUIにはファーウェイ独自の機能が多く盛り込まれている。そこで本記事では、EMUI9に搭載される新機能を中心に、改めてそれらをご紹介したい。
EMUIってなに?
ファーウェイのユーザーならば、一度は聞いたことがあるかもしれない「EMUI」。よく知らない方のために簡単に説明すると、ファーウェイによってカスタマイズされた独自のインターフェイスだ。「UI(ユーザーインターフェイス)」という表現を用いてはいるが、実はインターフェイスのみならず、機能面においてベースであるAndroidよりもカスタマイズされた部分を多く持っている。
EMUI9.0/9.1で搭載される新機能
Android 9.0とともに提供されているEMUI9.0(および最新版の9.1)では、いくつかの新機能が実装されている。
AI Vision
AI Visionはカメラで写すことで、それが何であるかを教えてくれる。これだけならばサードパーティのアプリでも対応しているものがあるが、AI Visionではさらに一歩進んだ機能が提供される。歴史的建造物を認識して解説をしてくれたり、Amazonや楽天などで被写体の購入ページを表示してくれたりする。
加えて、二本指で画面をロングタップすると、写っているものの購入ページを表示してくれる機能「Hi Touch」もある。
EROFS
EROFSは、EMUI 9.1で提供される機能。スマートフォンのROMストレージの中にある読み込み専用領域からより高速に効率よくRAMに読み込むことができる。パソコンほど多くのメモリを搭載できないスマートフォンでも、より動作を高速化できる。
HUAWEI Share
HUAWEI Shareは、MateBook 13と簡単にファイル共有ができる機能。EMUI 9.0以上かつNFC搭載モデルで利用できる。
実は前からあったEMUIの機能
EMUI 9.0以前からも、多くの独自機能が搭載されている。ここでは、EMUI 8.0から搭載されている機能のうち、代表的なものをピックアップする。
Gesture Navigation
一般的にAndroidデバイスでは、「戻る」や「ホーム」、「マルチタスク」などは画面下のボタンを操作して行うが、Gesture Navigationでは画面上をスワイプすることで、それらの操作を可能にしている。ボタンに画面を専有されず、より快適な使用が可能だ。
HUAWEI Shere
Windowsパソコンや、Macなどとのファイル共有は一般的には、Bluetoothやクラウドサービスを介して行われる。しかし、HUAWEI Shereを使うことでBluetoothのみならず、Wi-Fiを介してファイル共有できる。
GPU Turbo 3.0
ゲーム中など、スマートフォンが熱くなることもある。GPU Turbo 3.0は専用のAPIを使用し、ゲーム中でもスマートフォンの温度上昇を抑えつつ、パフォーマンスを維持する。
Digital Balance
近年では、子供でもスマートフォンやタブレットといったデバイスを使いこなす。その際に、子供にとって不適切なアプリがインストールされないように、また子供がデジタルデバイスに没頭しすぎないようにアプリインストール制限や、使用時間に制限をかけることが可能。
EMUIには豊富な独自機能がある
ご存知の読者も多いことだろうが、上述した機能は、HUAWEIのAndroid 8.0搭載のデバイス、つまりEMUI8.0で搭載している機能だ。そして、いくつかの機能はAndroid 9.0ではまだサポートされていない。上述したもの以外にもたとえばAndroid Qが対応予定のダークモードなどはすでにEMUI8.0時点で対応している。
アップデートへの取り組み
ファーウェイは、自社のデバイスのうち、MateシリーズのようなハイエンドデバイスについてはOSのメジャーアップデートを2回、P Liteのようなミドルレンジデバイスについては、1回のメジャーアップデートを提供している。ちなみに、EMUIのアップデートもOSアップデートに付随するので、EMUIもOSアップデートと同様の回数が提供される。
具体例でいうと2016年に発売された「Mate 9」は、登場時はAndroid 7.0デバイスだったが、現在はAndroid 9.0/EMUI9が提供されている。
完全分離プランによって、1台のデバイスの使用期間の長期化が予想される中でこうした対応を心がけてくれるメーカーが選択肢の中に存在するのは嬉しいところ。こうした点も今後のスマホ選びで参考にしてよいかもしれない。