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ソフトバンク、誤差数cmの測位サービスを11月末に開始
携帯電話基地局を活用、法人向けに
2019年6月3日 16:41
ソフトバンクは、誤差数cmでの測位が可能なサービスを11月末から法人向けに提供する。全国のソフトバンクLTEエリアで利用でき、料金は検討中。
同サービスでは、準天頂衛星「みちびき」などのGNSS(Global Navigation Satelite System)からの信号を利用する。固定局と移動局の2カ所で信号を受信し、リアルタイムに情報をやり取りしながら補正する「RTK測位」という手法によって、正確な測位を実現している。
RTK測位を行うには全国各地に基準となる固定局(独自基準点)を設置する必要があるが、ソフトバンクは独自基準点の整備に4Gの基地局網を活用。全国の4G基地局のうち約3300カ所に、測位サービスの固定局を併設する。
なお、固定局はソフトバンクが行うが、補正情報の生成とGNSS受信機への配信は、ソフトバンクとイネーブラーの合弁会社であるALESが行う。
主な用途としては、自動運転車、農業機械、建設機械などに移動局(受信機)を搭載し、自動運転やスマート農業、i-Constructionなどに必要な高精度の位置情報を提供する。測位にかかる時間は平均3.4秒で、他社の同種のサービスと比較して10秒程度の時間短縮を実現したという。
サービス開始を前に、ヤンマーアグリ、鹿島建設、SBドライブの3社とそれぞれ、高精度測位サービスを用いた共同実証を7月から順次行う。ヤンマーアグリは農機の自動運転と運転アシスト、鹿島建設は自動制御のドローンによる建設現場管理、SBドライブはバスの自動運転と運転アシストの実用化に向けた実験を行う。
既存のRTK測位が可能なGNSS受信機よりも小型かつ安価な受信機を独自開発したほか、スマートフォンやウェアラブルデバイスといった専用受信機を搭載できない小型の機器でも恩恵を受けられるよう、クラウド上でRTK測位を行える「クラウドRTK」サービスも開発中。コンシューマー向けのサービスも含めて実現を目指す。