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「タベリー」がネットスーパーと連携、献立作りから買い物までをワンストップで

 10X(テンエックス)は、献立提案アプリ「タベリー」において、ネットスーパーと連携したオンライン注文機能の提供を開始した。まずはiOS版から提供され、Android版も今後対応する予定。

献立作りから買い物までをワンストップで解決

 タベリーではこれまで、献立の提案や買い物リストの自動作成といった機能を提供してきた。今回のアップデートではもう一歩踏み込み、必要な食材を購入する段階までタベリーで完結できるようになる。

 利用の流れとしては、まず、過去の作成履歴やフィードバックから分析したユーザーの好み、食材の使い回しなどさまざまな条件を元に、献立が自動作成される。「みんなのきょうの料理」「ベターホームのお料理教室」などと連携して1万2000種類以上のプロによるレシピが用意されている。アレルギーのある食品を入力しておけば自動で献立から除外されるほか、同じジャンル、同じ食材を使うレシピが続かないように配慮したアルゴリズムとなっている。

 献立が決まったら、それを元に必要な食材をまとめた買い物リストが自動作成される。この際、家にある食材を入力しておけば買い足す必要のある物だけがリストアップされる。買い物リストはスーパーの売場配置に近い区分で整理され、リストを見ながら効率的に買い物ができる。

 従来はこの買い物リストを見ながら食材を買い揃える形だったが、新たにネットスーパーと連携。必要な食材をそのまま注文できるようになった。

 当初はイトーヨーカドーネットスーパーと楽天西友ネットスーパーに対応し、対応店舗は随時拡大予定。住所を入力すると配送できる店舗の一覧が表示され、必要な食材の合計価格や最短の受取日時を比較して選べる。

 産地の違う野菜や異なるメーカーの調味料など、複数の商品を選べる状況では最も安い商品が自動で選択され、手動で変更することもできる。最安値以外の商品を選んだ場合はユーザーの好む商品として記録され、次回以降にリストを作成する際の参考データとなる。

“考える家事”を効率化するサービス

10X 代表取締役CEO 矢本真丈氏

 10X 代表取締役CEOの矢本真丈氏は、掃除ロボットや洗濯乾燥機、食洗機などの家事作業を短縮する製品が数多く世に出ている一方、「献立を考える」「食材の使い回しを考える」「買う物を考える」といった“考える家事”はあまり効率化が進んでいないことへの気付きが「タベリー」を作るきっかけだったと語る。スマートフォンの普及や機械学習の進歩を活かし、作業以外の見えない家事負担の軽減を目指す。

 タベリーユーザーのボリュームゾーンは、共働き世帯の20~40代女性。ネットスーパーなどの生鮮食品の宅配サービスの利用率は年代が上がるほど高いという。生鮮食品市場は市場規模に対してEC化率が低いが、スマートフォンを使いこなす世代にも受け入れられる快適なユーザー体験を作ることができれば、この層の伸びしろは大きいと分析する。

 収益構造としては、連携するネットスーパー事業者から得る手数料でマネタイズする形となる。また、たとえばあるメーカーの調味料を注文時に優先的に提案するなど、食品メーカーとのタイアップによる収益化も今後検討する。