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避難所の様子を「5G×AI」で可視化、ソフトバンクが丸の内で実験

 三菱地所とソフトバンクは3月11日、東京・丸の内エリアで、5G(第5世代の携帯電話向け通信システム)を用いた防災訓練の実証実験を行った。

おでかけ5G(2018年11月撮影)

 防災訓練は、三菱地所本社社員を対象にしたもの。大手町ビル内に、ソフトバンクが開発した可搬型装置「おでかけ5G」を設置する一方、避難所にネットワークカメラを設置。カメラが捉えた避難所の状況を5G経由でMEC(モバイルエッジコンピューティング)サーバーに伝える。

 MECサーバー上では、フューチャースタンダード社のAI映像解析ソフトウェアを用いて、避難所の映像をリアルタイムに解析する。これにより、避難所内の人数や救護者数、属性(性別・年代など)、あるいは避難所の混雑状況、顔認証を用いた救護者の識別、要救助者の検知などの状況を可視化できた。

 5GとAIを組み合わせることで、災害発生時の避難所のオペレーションの省力化や高度化を実現し、混雑にあわせて適切な避難所へ誘導できるようにしたり、必要な物資量・種類の選定などをスムーズに進められるという。

 「おでかけ5G」は基地局設備やアンテナ、MECサーバーといった装置がセットになったもの。アンテナを設置する周辺だけの5Gエリアを構築できることから、既存の通信網が利用できない場合でも、すぐにローカルネットワークを構築するといった可能性も、実験を通じて確認。ソフトバンクでは災害現場での活用も見込んでいる。