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交通サービスのプラットフォームを目指すジョルダン

「乗換案内」は「徒歩ナビ」2週間無料のキャンペーン

 ジョルダンは、「乗換案内」アプリ・サービスの近況や今後の展開を解説するとともに、ジョルダンとして今後プラットフォームサービスにも注力していくという事業戦略を、記者向けの説明会で明らかにした。

 ジョルダンは、「乗換案内」をスマートフォン向けアプリやWebサイトで提供している。最近では、全国の8割の路線バスの案内にも対応し、残りの約22社とは鋭意交渉中とするなど、サービスの拡充を進めている。ほかにもバス会社などの法人への提供や、自治体への提供、路線バスの情報を高度化させる実験なども進めている。また、13言語に対応したインバウンド向け乗換案内サービスの提供も開始している。

 直近では、スマートフォン向け「乗換案内」アプリが10月の最新版で地図表示や徒歩ルートのナビゲーションに対応しており、具体的に案内できる範囲を「駅~駅」から、「現在地~目的地」に拡大している。これにあわせて、駅の出口を出てまずどちらに進むのかといったナビゲーションを実現できるよう、駅の出口の向きの情報も整備、細やかな徒歩のナビゲーションを行えるようにしている。

 アプリは基本機能を無料で利用でき、徒歩ナビを含めた有料機能は「Plus版」として月額360円で提供されている。11月28日~2019年1月14日の2週間は、10月のバージョンアップで新たに追加された徒歩ナビゲーション機能を無料で2週間利用できるキャンペーンが実施される。徒歩ナビ以外にも、「乗車位置の表示」「前後列車・行き方」の機能も利用できる。キャンペーン期間中、利用を開始した日から2週間は無料で利用でき、年末年始の帰省や外出時にも便利に利用できるとしている。

目的地までのすべてを一元化、MaaSに取り組む

 ジョルダンは、今後の戦略として「MaaS」(マース、Mobility as a Service)を中心に据えていくという。

 ジョルダン 代表取締役社長の佐藤俊和氏は「MaaSというキーワードで我々のビジネスを見直していく。我々自身がMaaSになろう、ということ」と説明し、シェアサイクルやカーシェアなどを含めたさまざまな交通サービスや、高速バスなどのチケットの販売、決済などの関連サービスを含め、すべてを一元的に利用できるプラットフォームの構築に注力している方針を語る。

ジョルダン 代表取締役社長の佐藤俊和氏

 ジョルダンが構想するMaaSプラットフォームは、サブスクリプション(定額課金)モデルで、実績に応じて参加各社に利益を配分するというもの。チケット販売などで利益を上げていく仕組みになるという。

 佐藤氏は、北欧でこうしたサービスがすでに生まれ、日本への参入を表明している企業があることや、Uberなどの例からも、ローカルなビジネスである交通サービスであっても、先端的なプラットフォームやサービスを構築しないと、やがて潮流から取り残されてしまうという危機感を明らかにしている。

 また、こうしたMaaSの先端的な事例は、地図アプリ・サービスで検索することが入り口になっているとし、「乗換案内」アプリが地図表示や徒歩ナビをカバーしたのは、総合的な案内が求められるMaaSに向けた、取り組みの第一歩であるともしている。