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ドコモ、5Gの次を見据えた新たな電波測定装置を開発

 NTTドコモとローデ・シュワルツ(Rohde & Schwarz)は、世界で初めて、100GHzを超えるモバイル通信向けの超広帯域チャネルサウンダ(電波測定装置)を開発した。

 両社では、150GHz帯というこれまでにない高い周波数帯で、電波伝搬実験を実施。今回開発した超広帯域チャネルサウンダはミリ波帯を最大2GHz幅まで解析でき、その伝搬特性や、邪魔になるような物の影響がどれほどあるか、測定・解析できることを確認した。

 第4世代(4G)にあたる現在の携帯電話サービスは、800MHz帯や、1.7GHz帯、2GHz帯、3.5GHz帯といった周波数帯を利用している。こうした低い周波数帯は、より広いエリアをカバーしやすい一方で、携帯電話を含め、さまざまな用途で多く利用されていることから、広大な帯域は確保しづらい。そのため、2020年頃に商用化する予定の5Gでは、日本でも28GHz帯といった従来にない高い周波数帯を活用する予定。

 ドコモでは、ミリ波帯と呼ばれる電波である100GHz~300GHzという帯域は、5G向けよりも広い帯域を確保でき、さらに高速な通信の実現が期待できると説明。しかし、人やクルマ、樹木の影響を受けやすい帯域でもあり、きちんとその影響を測定できる必要がある。ただ、これまでは簡単に測定する方法や、小型で超広帯域を測定できる装置がなかった。

 両社は今後も解析できる帯域幅を拡張する予定。ミリ波帯の特性を解明し、5Gの次の世代での活用に向けた評価を進め、将来的にはテラビット級(1Tbps=1000Gbps)の通信速度を実現するモバイル向け通信システムなどを視野に開発を進める。