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「Google+」終了、Googleアカウントへのアクセス許可も変更

 米グーグルは、アプリがGoogleアカウントのデータへアクセスする際の許諾方法について、より細かく権限を許可する形へ変更すると発表した。

 またソーシャルネットワークサービスの「Google+」のコンシューマー向けバージョンを2019年8月末までに終了すると発表した。利用が少ないことから決めた。一方、企業向けサービスは引き続き提供される。

アクセス許諾、個別のダイアログを表示

 アプリがGoogleアカウントを利用する場合、これまでと比べて、どのアカウントのデータを使えるようにするか、より細かく制御できるようになる。

現在の許諾の流れ

 アプリ側がアクセス許可を得たいデータひとつひとつに、ダイアログボックスが表示されるようになる。たとえば、従来は、Googleカレンダーと、Googleドライブへのアクセスをまとめて許諾する形だったが今後は「カレンダーはOK」「ドライブは拒否」といったことも可能になる。

今後のアクセスの流れ

 このほか、コンシューマー向けGmailのデータへアクセスできるのは、メール機能やメールのバックアップサービス、印刷関連のサービスなど、メール機能を直接強化するアプリだけとなり、さらにセキュリティ評価の対象になる。

 スマートフォンやタブレットといったAndroidデバイスでは、アプリが発着信履歴や電話、SMSへアクセスできるアプリをGoogle Playで制限する。通話やSMSのデフォルトアプリとして選択したものだけが、それらへアクセスするためのリクエストをできるようになる。

Google+、来夏終了へ

 Google+のコンシューマー向けサービスの終了は、グーグル社内のプロジェクト「Google Strobe」によるレビューを受けて決まった。

 Google Strobeにより、2018年3月、Google+には、People APIと呼ばれる仕組みに不具合があることが発覚。名前やメールアドレスなど非公開のプロフィールデータへ、People APIを使うアプリからアクセスできるという不具合で、最大50万のアカウントが影響を受けた可能性があった。

 グーグルではGoogle+アカウントの90%の滞在時間が5秒未満であり、あまり利用されていないとして、サービスの終了を決めた。

ナイアンティック「今後検討へ」

 利用者が限られていたGoogle+だが、かつてはアイドルグループをプロモーションに起用し、そのファンによってよく利用されたこともあった。

 また、グーグルからスピンアウトし、大人気ゲームの「Pokémon GO」を手がけるナイアンティックにもGoogle+の終了は一定の影響を与えそう。そのPokémon GOの土台にもなり、同社がフラッグシップと位置づけるスマートフォンゲーム「Ingress」のユーザーコミュニティの場として、これまで活用されてきたためだ。

 Ingressの設定メニューには、Google+のプロフィールへリンクする機能がある。ユーザー同士が互いのアカウントをフォローしあい、ゲームをより楽しみ、親交を深める中で、Google+を通じたコミュニケーションが大きな役割を果たしてきた。

 同社では、「Ingress」の次期バージョン「Ingress Prime」を開発中で、そのローンチを11月にずらすと発表したばかり。グーグルの発表以降、ユーザーから戸惑いの声が散見される中、ナイアンティック日本法人は「今後、社内外での意見を聞きながら検討したい」とコメント。具体的な対応策がどうなるのか、今後に期待したい。