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トーンモバイルは「2.0」へ、サービスプラットフォームをOEM提供
2018年9月20日 18:28
MVNO型の携帯電話サービスを提供するトーンモバイル(TONE MOBILE)は、これまで同社のユーザー向けに提供してきたサービスをプラットフォームとしてオープン化し、パートナー企業を通じて展開する新たな中期戦略を発表した。
安心安全機能をオープン化
これまでトーンモバイルでは、MVNO型の携帯電話サービスとして機種数や料金プランを絞りつつ、子供向けおよびシニア向けに、見守り機能など、安心・安全面で独自のサービスを開発、無料で提供してきた。
代表取締役社長の石田宏樹氏は、「本来考えていた、事業構造に展開していく。安心安全機能をオープン化し、OEMで横展開していく」と今後に向けて意気込みを見せる。
「トーンプラットフォーム」と名付けられた仕組みは、トーンモバイルが展開してきた独自サービスをプラットフォーム化したもの。
その第1弾と言えるのが、アルパインとの提携で提供される「お迎えナビ」。9月上旬より提供されている同サービスは、トーン以外のスマートフォンでも利用できる。子供に持たせるスマートフォンと保護者のスマートフォンにアプリをインストールしておくことで、学校などから帰る際に、位置情報を共有する。お互いの場所が分かることで、効率化を図るアプリだ。今春テストサービスを提供したところ、車社会の地方ほど、利用率が高い傾向になったという。
石田氏は「子供が増えると、母親の中には『お迎え人生』と言う人がいる(それほど負担が大きい)。お迎えナビとしてTポイントを付与するなどエンターテイメントにしている」と説明する。
パートナー企業とともに
石田社長は、プラットフォーム化して提供するトーンのサービスは、パートナー企業を通じて一般ユーザーが利用できるようになるという。
トーンモバイルにとっては、利用者の母数が、MVNOサービスよりも大きくなることが期待でき、将来的にはMVNOサービスを超える収益の柱に育てたい考え。
スマートスピーカーと連携も
子供の現在地を確認する手段として、同社では、新たにスマートスピーカー向けのアプリケーション(アクション、スキル)を開発中だ。
このとき、家族以外からサーチされないように、グーグルのボイスマッチを採用して、特定の人だけが居場所を検索できるようにする。
ブロックチェーンで信頼度向上
石田氏は、インターネットではデータの流通コストが下がった一方、そのデータそのものが改ざんされていないか、担保するのが難しいと指摘。たとえば急速に進歩したAI技術も、データが改ざんされていると正しく機能しない。
最近広がりつつあるブロックチェーンを用いれば、信頼性の高いデータをやり取りできるが、石田氏は「インターネットとブロックチェーンの継ぎ目で情報漏洩が起きる」と指摘。トーンモバイルや、母体となったフリービットはもともとインフラを手がけており、開発中として具体的な説明は避けつつも、「単純なMVNOではなく、信頼できるものへ」とブロックチェーンを活用する意思を表明。仕組みについては、近日、フリービットから発表される見通しをあわせて紹介した。
1機種1プランを維持してコストダウン
石田氏は、料金面で最近話題を呼ぶ日本の携帯電話市場について「3大キャリアの利益はMVNOがスタートしてどうなったか、2015年以降を見るとその営業利益の合計は3兆円」と指摘する。
端末価格も、たとえばiPhoneのもっともストレージが小さなモデルを見ても、価格は66%高くなった、と解説する。
そうした中で、安心安全にフォーカスしたトーンモバイルは技術力で社会問題の解決をはかる姿勢を貫いているとアピール。独自のスマートフォンの数を絞り、料金プランも拡大せずに展開してきた。それにより、在庫リスクや、店員の教育コストを抑えられる。
トーンモバイルでは、MVNO事業のコストを抑えつつも、安心安全を主軸に独自の位置づけでサービスの拡充とをユーザー拡大を図ってきた。今後はAIやブロックチェーンを組み合わせ、サービスプラットフォームのオープン化で、さらなる成長を目指す。