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2022年度の工場向け無線機市場は789億円、ミック経済研究所が予測

 ミック経済研究所は、工場向けの無線通信機器に関する市場予測と調査結果を取りまとめたレポート「ワイヤレスコネクテッド・ファクトリー市場の動向と5Gの展望~工場におけるワイヤレス化の現状と主要ベンダの実績と戦略、および5Gに向けた市場展望~」を8月に発刊した。

ワイヤレスコネクテッド・ファクトリー市場規模予測(出典:ミック経済研究所)

 同レポートでは、IoT/M2Mソリューションを展開しているベンダーやキャリア、通信モジュールや組込機器のメーカーなどへの取材を元に、2017年度の市場規模は365億円と推計。2022年度には789億円まで成長するとの予測を示している。

 また、実際の工場における無線通信の導入状況を、工場内で閉じたプライベートネットワークと、クラウドサービスなどの外部サーバーにつながるパブリックネットワークに分けて調査。

 プライベートネットワークでは有線の産業用イーサネットが主流であり、全体に占める無線通信の割合は10%未満とした。一方で、敷設コストやシステムの柔軟性という点で潜在的なニーズはあり、混信などの信頼性の問題が解決すれば、プライベートネットワークにおいても急速に無線化が進むと分析した。

 パブリックネットワークでは、機器メーカーが設備のメンテナンスを効率的に行うための監視ネットワークを3GやLTEで構築するケースなど、無線通信が普及しているとした。

 今後見込まれる5Gの導入については、工場間協調などの新たな生産システムへの移行を前提として、工場向けでは2023年以降に動きがあると予測している。