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MAYA SYSTEM、クラウドSIMスマホ「jetfon」8月発売

 MAYA SYSTEMは、クラウドSIM技術を採用するスマートフォン「jetfon」を発表した。8月中に発売する予定で、8月1日から予約受付を開始する。端末価格は3万9800円(税抜)。販路などはあらためて案内される。

 jetfonは、クラウドSIM技術により、海外渡航時に現地で最適な通信会社を選択して接続できるスマートフォン。基本料は0円で、必要なときに通信量を購入する形。1日300MBの場合、アジアでは380円~、欧州・北米・南米・オセアニアでは580円~、アフリカでは680円~。使用量の上限に達したあとは256kbpsで通信できる。日本国内でも、アジアの料金で利用できるが、消費税がかかる。日本で購入し、海外到着後に利用を開始すると、利用期間のカウントがスタートする。

 2カ国以上の周遊プランも用意されるとのことで、まずは欧州で利用できるプランが提供される予定。今後、アジアやグローバル対応の周遊プランの追加も予定されている。

 特徴的なプランとして、「中国VPNプラン」が用意される。中国国内でも、GoogleやLINEなどが利用できるというものになる。

 料金の支払いは、クレジットカードやPayPal。法人は請求書払いでも利用できる。

ハードウェアの特徴

 スマートフォンとしては、ucloudlinkが開発したものをベースとしており、5.5インチのフルHDディスプレイや、Snapdragon 652、4GBのメモリ、64GBのストレージを採用する。OSはAndroid 7.1.2。バッテリーは2900mAh。Jアラートにも対応する。

 100以上のエリアで利用できるようにするため、通信方式や対応周波数帯(バンド)が幅広いことも特徴の1つに打ち出す。たとえば、最近、楽天やauに割り当てられた1.7GHz帯(バンド3)もサポートする。LTEの対応バンドはB1、2、3、4、5、7、8、9、12、13、17、18、19、20、25、26、28、38、39、40、41。2G(GSM)、3G(W-CDMA、CDMA2000)、TS-SCDMA、LTE(FDD/TDD)といった通信方式をサポートする。国内ではVoLTEも利用できる(auはソフトウェアアップデートで対応)。Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)やBluetooth 4.0をサポート。FMラジオ機能も備える。

 クラウドSIMだけではなくDSDSもサポートする。nanoSIMカード2枚(1枚はmicroSDカードと排他利用)まで装着できる。たとえば国内でMVNO×2、あるいはMVNOと大手キャリアといったSIMカードを装着しておき、海外渡航時にクラウドSIMをONにして、物理的なSIMカードスロットのどちらかをオフにする、といった使い方ができる。

【お詫びと訂正 2018/7/17 11:42】
 記事初出時、FREETELから発売というタイトルとしていましたが、MAYA SYSTEMの製品ながらFREETELブランドではありません。お詫びして訂正いたします。

まずは法人向けに

 海外でも、SIMカードを購入することなく、そしてローミングよりも割安な料金で利用できることを特徴に打ち出す「jetfon」。裏を返すと、これまでの海外渡航時の通信手段は、手間がかかる、あるいは料金が割高という課題があった。

左からjetfon開発マネージャーの南健太郎氏、MAYA SYSTEM社長の井上千鶴氏、jetfonプロダクトマネージャーの國嶋氏

 たとえば日本国内で使っている回線を、そのまま海外に持ち込む、いわゆる海外ローミングの場合、特に設定は不要ながら、料金が1日980円といった形。これによりも割安な手段としては、現地の通信会社が提供するプリペイドSIMやモバイルWi-Fiルーターのレンタルが挙げられるが、たとえばプリペイドSIMでは購入や設定の手間、モバイルWi-Fiルーターは荷物が増えたり返却の必要があったりする。

 MAYA SYSTEM自身、jetfonと同じ仕組みを使ったモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスを提供してきたが、jetfonを提供することで、料金面、そして利便性で強みを打ち出す。個人ユーザーのみならず、法人での採用を目指したいと語るのは、7月にMAYA SYSTEM社長に就任した井上千鶴氏。

 井上氏は、jetfonや、既存のモバイルWi-Fiルーター「jetfi」を含めた通信事業をMAYA SYSTEMの中でも成長させたいと意気込んでおり、「次のラインアップ、次の製品企画を始めている。驚いていただけるものを出したい」と、継続して開発していく姿勢をアピールしていた。