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ネスレ、LINEとAIを活用した食事解析サービス
2018年5月28日 17:41
ネスレ日本は、コミュニケーションアプリ「LINE」を利用したヘルスケアプラットフォーム「ネスレ ウェルネス アンバサダー」の新サービスとして、AIによる食事写真の自動解析機能や、血液検査/DNA検査キットの無料提供を5月28日に開始する。
9万人を突破した「ネスレ ウェルネス アンバサダー」
「ネスレ ウェルネス アンバサダー」は、同サービスの公式LINEアカウントを通してユーザーの健康状態を知ることを起点に、異業種連携によるさまざまな健康のためのサービスを横断的に利用できるヘルスケアプラットフォーム。2017年10月に始動したこのサービスには、2018年5月末時点では約9万人が加入している。
その核となるサービスが、ビタミンやミネラルなどの成分が配合された「ネスカフェ ドルチェ グスト」専用カプセルの定期購入サービス。ユーザーの健康状態やニーズに応じて、最適な成分を配合したカプセルを提案する仕組みとなっていることが特徴だ。
カプセルは同社のコーヒーマシン「ネスカフェ ドルチェ グスト」で抽出でき、加入者にはマシンが無料で貸与される。1つのカプセルが1杯分となっており、フレーバーは抹茶味の「ネスレ ウェルネス抹茶」やミルク味の「ネスレ ウェルネスラテ」、緑黄色野菜を使った「ネスレ ウェルネススムージー ケール&フルーツ」から選べる。
また、ドリンクのほかにも、外出時でも手軽に摂取しやすいよう、チョコレート菓子「キットカット」に同等の成分を配合した「キットカット ミニ ウェルネス抹茶」も用意する。
AIを活用してよりユーザーに合った提案が可能に
「ネスレ ウェルネス アンバサダー」が通常の定期購入サービスと大きく異なる点は、ユーザーの健康状態や目標を把握した上でのユーザーに合わせた健康習慣の提案だ。
同サービスでは、その入口としてコミュニケーションアプリ「LINE」の公式アカウントを利用している。従来は数問の質問にユーザーが答える形でユーザーの食生活や生活習慣を把握していたが、新たにあすけんとの提携による「食事分析」機能を追加。食事の写真をスマートフォンで撮影してLINE上で送るだけで、AIによる自動解析でメニューやカロリーを算出し、簡易的なアドバイスを受けられる。
また、特別定期コースの加入者には、ジェネシスヘルスケアのDNA検査キットやハルメク・ベンチャーズの血液検査キット「おうちでドック」を無料で提供する。これらの検査結果は検査会社から直接ユーザーへと郵送され、自身の健康状態について、より詳細に知ることができる。
アクサ生命との提携の狙いは
「ネスレ ウェルネス アンバサダー」の新サービス発表とあわせて、アクサ生命とのパートナーシップ契約の締結も同日に発表された。
食品業界と保険業界という業種の垣根を越えた提携に至ったきっかけとして、ネスレ日本の高岡浩三社長は、いずれの業界も商品だけでは差別化できない時代となりつつあり、顧客の抱える問題ありきでサービスを考えると1つの業種では解決できない問題もあり、異業種間での戦略的提携は必然だと語った。
ネスレ日本は「ネスレ ウェルネス アンバサダー」を展開する上で、専用カプセルをファンケルと共同開発しているほか、先述の新サービスにも各社の技術を活用している。今後の展望としては、単にネスレ製品を定期購入するためのサービスにとどまらず、新たなパートナー企業を増やす可能性を含め、より大きなヘルスケアプラットフォームを目指すとした。