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スマホ いよいよ1Gbps時代へ――ドコモが今夏988Mbpsに

5CAも導入へ

 NTTドコモは、2018年夏にも下り最大988Mbpsのサービスを提供する。2018年度以降は1Gbpsを超えていく予定もあわせて明らかにされている。

 徐々に高速化が図られているドコモのサービスだが、988Mbpsの提供とその時期が示されたのは今回が初めて。今後登場する複数の新機種で利用できる。まずは通信量の多いエリアで、スポット的に利用できるエリアが広がっていく見込み。

 こうした理論上の数字の向上に対して、実効速度との乖離が気になるところだが、実際は通信品質、つまり「安定していつでもどこでも快適に繋がる」という体感の向上に繋がる。

 988Mbpsという通信速度は、3.5GHz帯×2(294Mbps×2)と1.7GHz帯×1(400Mbps)という組み合わせで実現させる。これに次ぐのが、3.5GHz帯×2(294Mbps×2)と1.7GHz帯×1(200Mbps)、2GHz帯×1(150Mbps)という組み合わせで938Mbpsになる。

 今夏にはこのほか5つの周波数を組み合わせる「5CA」も導入される。こちらの通信速度は794Mbps(3.5GHz帯×2/147Mbps×2、1.7GHz帯×1/200Mbps、2GHz帯×1/150Mbps、800MHz帯/150Mbps)となる。

 利用できるエリア、あるいは時間帯によって、ユーザーは最も快適に通信できるよう14パターンの組み合わせで用意されたキャリアアグリゲーション(CA、複数の電波を組み合わせて通信品質を上げる技術)を利用できる。また複数のアンテナを使う「MIMO」も、2×2(基地局と端末でアンテナ各2本)から、4×4へ進化して高速化をはかる。

上り速度もアップ

 あわせて上りの通信速度も向上し、今夏には75Mbpsになる。2018年度以降には100Mbpsを超える予定。これは変調方式が従来、16QAMと呼ばれるものだったのに対して、新たに64QAMに対応し、一度に運べる情報量を増やすことで実現させる。

東名阪以外の1.7GHz帯、申し込まなかった理由は

 つい先日、3.4GHz帯が新たに割り当てられたNTTドコモ。同じタイミングで、東京・名古屋・大阪以外で利用できる1.7GHz帯への申し込みも受け付けられており、東名阪限定で1.7GHz帯を使うドコモが申請するのでは? という観測もあった。

 しかし蓋を開けてみると、東名阪以外の1.7GHz帯は誰も申し込まず、結果、割り当てが見送られた。どうしてドコモは申し込まなかったのか、その背景について同社ネットワーク部の宮下真一技術企画担当部長は、「トラフィック(通信量)対策のため」と語る。

 スマートフォンが普及し、動画などの大容量コンテンツの利用が高まった現在、特に都市部でのトラフィック上昇は著しいと宮下氏。そうなると、日本では東名阪で使える新たな周波数帯が欲しい、だから既に東名阪で利用できる1.7GHz帯ではなく、新たに使える3.4GHz帯だけを申し込むことにした。1.7GHz帯は、今回、楽天とauに割り当てられているが、新規に立候補した事業者が優先される前提条件があったため、競合を避けて確実に電波を手にすることを目指したようだ。