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トーン、見守り対応のiPhone向け「TONE SIM(for iPhone)」

 トーンモバイルは、保護者向けに見守り関連機能を用意しつつ、iPhoneで利用できる「TONE SIM(for iPhone)」を発表した。20日から予約受付を開始、4月上旬に発売される。利用料は月額1500円(税抜)。かけ放題オプションなどが別途用意される。

 iPhone専用で提供される「TONE SIM(for iPhone)」は、リモートで居場所を確認したり、アプリの利用を管理したりできる。iPhoneを利用したい子供のニーズに応えつつ、安心して利用できる環境を提供する狙い。居場所確認やアプリ管理のほか、フィッシングサイトなどをブロックする「あんしんインターネットLite」、Webページをポータル、ニュース、映画などに分類して、カテゴリーの閲覧可否を「小学生モード」「中学生モード」「高校生モード」で段階的にフィルタリグの設定ができる。指定したURLのみ閲覧できるホワイトリスト機能もある。

 今後は、トーンモバイルのIP電話サービスに向けて、過去、詐欺の電話に利用されたことがある電話番号データベースを活用するサービス「あんしん電話」が提供される。データベースに登録された番号から電話がかかってくると画面上に警告を表示する。企業名や店舗名にも対応し、そうしたところからの電話の場合も名前を示す。

 対応機種はiPhone 5s/5c以降。ドコモ回線を利用しており、au版やソフトバンク版のiPhoneは事前にSIMロックを解除する必要がある。

IP電話アプリやフィルタリング対応ブラウザなどをインストール
利用すた通信量も
フィルタリングの内容
アクセス制限時の画面
保護者用アプリを起動すると子供のスマホの現在地がわかる
子供用スマホの設定

学生のiPhone好みに対応、構成プロファイルを活用

 これまで自社製のAndroidスマートフォンで子供向けのサービスを展開してきたトーン。今回、初めてiPhone向けサービスを展開できたのは、もともと同社の戦略としていずれはiPhone向けサービスを展開する考えだったこと、iOS側が進化したこと、そして同社がiOS対応のソリューションを開発できたことがある。

 「TONE SIM(for iPhone)」の特徴は、ユーザーである子供が万が一、iPhoneを初期化したり、iPhoneから見守り用アプリをアンインストールすると、携帯電話回線による通信が止まるという仕掛けにある。

 これは、iOSの構成プロファイル(MDM、モバイルデバイス管理)や、アプリを活用して実現している。見守りアプリは定期的にクラウド側と通信しており、削除されれば通信できなくなるため、見守りアプリを削除したと見なし、モバイル回線の通信を遮断する。当初は、SIMカードを装着するだけで、見守りアプリやフィルタリング対応ブラウザなどのインストールを進める「かんたんモード」で提供され、今後、Wi-Fiなどの利用のON/OFFなどもカスタマイズできる「あんしんモード」も提供される。

 構成プロファイルを活用することから、iOSの仕様が変更されれば、現在の仕組みではうまく稼働しない可能性も今後あるが、その点は重要事項として契約時に説明。利用方法などが将来、変更される可能性があると案内するという。

 20日の会見で説明を行ったトーンモバイル代表取締役社長の石田宏樹氏は、大手キャリアのiPhoneでは、青少年向けのフィルタリングサービスは存在するものの、ネット上のまとめサイトなどでその解除方法が流布されていると指摘。その一方で、トーンがこれまでAndroid向けに提供してきたサービスはそうした手法で突破されたことはないと胸を張る。

 それでもiPhone向けサービスを今回提供することになったのは、日本でのiPhone人気、特に学生層から根強く支持されていることがある。海外ではAndroidがシェアの大半を占める中で、様相の異なる日本ではiPhoneをターゲットにすれば「これまでのトーンの6倍の規模にリーチできる」(石田氏)とのことで、iPhoneに対応することの重要性があらためて示された。