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ソフトバンク、コアネットワークの運用を柔軟にする新技術「セグメントルーティング」を導入

 ソフトバンクは、モバイル通信のコアネットワークにおいて、新技術「セグメントルーティング」を導入した。

 コアネットワークは、大容量の通信が可能な基幹回線網。携帯電話の場合、各地の基地局と接続し、外部網(インターネットなど)への出口に接続する回線網がコアネットワークに当たる。内部では多数のルーターがネットワークを構成しており、パケットデータを次々に受け渡すことで、パケットを目的地へと運んでいる。セグメントルーティング」は、このコアネットワーク内部でのパケット転送を効率化する仕組みだ。

 これまでの技術では、パケットを送信する前に、あらかじめ「パス情報」を配信して経路を確保。その後、実際のパケットを送信するという2段階の通信が必要だった。パケットには「ラベル」と呼ばれる送付先を示す短いデータを添付し、中継先のルーターでは「パス情報」と「ラベル」を照らし合わせて、次の中継先を転送する。これを繰り返して目的地に送付していた。

 この技術ではルーターの増設などでネットワーク構成が変わる度に最適なパス情報へ更新する必要があり、大規模なネットワークほど設計が複雑になり、管理コストが増加するというデメリットがあった。

セグメントルーティングの構成図

 これに対し「セグメントルーティング」では、各ルーターに相当する「セグメントID」を割り当てる。送信するパケットには、目的地のセグメントIDとパス情報を付与して送信する。中継先の全ルーターがパス情報を配布する従来のシステムと比べて、よりシンプルな構成になるため、ラベルの配布に専用のプロトコルが必要なくなるといったメリットがある。

 ソフトバンクは「セグメントルーティング」について、次世代もモバイル通信「5G」に対応するコアネットワークでの活用も期待される技術と位置づけている。