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「au HOME」サービス本格化、対象ユーザーを拡大しGoogle Homeとも連携

 KDDIは、「au HOME」を11月28日に拡充すると発表し、記者向けの発表会を11月21日に開催した。

「au HOME」発表会。ゲストとして後藤真希も登場した

 サービスの拡充内容は、別のニュース記事を参照していただきたい。

KDDI 執行役員常務 商品・CS統括本部長の山本泰英氏

 発表会で登壇したKDDI 執行役員常務 商品・CS統括本部長の山本泰英氏は、7月31日からサービスを開始した「au HOME」を「実に静かにスタートした」と振り返った上で、月額490円と価格を抑え、IoTデバイスとセットで体感価値を訴求した点や、当初からセコムの駆けつけサービスを申し込めるようにセットするなど、比較的絞り込んだメッセージでアピールしてきたことを紹介する。

 一方、「ちょっと心地いいくらし」というテーマが、この日の発表の「凝縮されたメッセージ」であるとし、通信会社が手がける意味として、スマートフォンの利用を基点に据えていることを示す。外出していてもスマートフォンと家がつながる、家に近づくと家の中の家電が連携するといった、人と家をつなぐデバイスとしてスマートフォンを位置付け、それらが通信会社が提供する妙味であるとした。

 この中でも特にアピールされたのは、スマートフォンと家が、双方向でやりとりするという内容。2018年春に提供予定というシナリオ設定などがそれにあたり、スマートフォンを持つユーザーが最寄り駅で降りて帰宅が近づくと、自宅の家電の電源を入れるといった、双方向と自動化を実現したいとする。

 一方、足元の施策として、IoTデバイスの「スマートプラグ」「赤外線リモコン」を提供することや、「Wowma!」で登録した家電製品の消耗品を購入できるようにするなどの取り組みを紹介。

 また、スマートスピーカーの「Google Home」(Google アシスタント)との連携では、auの「うたパス」「ビデオパス」が2018年初頭に「Google Home」から呼び出して利用できるようにすることも紹介した。

 なお「au HOME」で「Google Home」と連携すると紹介されているものは、スマートフォンで呼び出せる「Google アシスタント」でも利用できるとしている。

この日発表された端末も簡単に紹介された
ゲストとして後藤真希が登場、育児で忙しい毎日とのことで、au HOMEへの期待も語った

Alexaにも「ぜひ対応していきたい」

質疑応答に応じるKDDI 執行役員常務 商品・CS統括本部長の山本泰英氏、KDDI ホーム・IoT サービス企画部部長の渡辺和幸氏

 質疑応答の中では、「Google Home」以外の、たとえばソニー製の「Google アシスタント」対応のスマートスピーカーでは、「au HOME」のサービスと連携はできないのかと問われた。KDDI ホーム・IoT サービス企画部部長の渡辺和幸氏は、「au HOME」における連携は基本的に「Google アシスタント」との連携であるとし、Google製以外のスマートスピーカーや、スマートフォンで利用する「Google アシスタント」でも利用できるとしている。

 AmazonのAI「Alexa」(スマートスピーカーは「Echo」)への対応については、渡辺氏は「ぜひ対応していきたい。AIスピーカーは連携することで便利になるので、積極的に対応を考えていきたい」と前向きな姿勢を示している。

囲み取材

 囲み取材では、これまでもUQコミュニケーションズやビッグローブが“auのサービスの拡大”には貢献していないことを念頭に、「au HOME」もグループの中でauのみが提供するサービスになるのかが聞かれた。渡辺氏は「with HOME」でKDDI以外の企業と連携していくとし、「KDDI 1社ではホームIoTを日本中に広げていくことはできない。デバイス面でもサービス面でもそうで、顧客ベースも国内シェアは30%程度であり、残りの7割のユーザーにもホームIoTのサービスを利用してもらうためには、たとえばBIGLOBEのホームIoTのような形で我々がプラットフォームを提供するやり方もありだと思っている。我々の顧客ベースだけにこだわっていない」と回答し、他業種を含めて連携していく方針を示している。

 7月のサービス開始当初は、固定回線の条件が「auひかり」のユーザーだけで、今回対象が拡大された点については、渡辺氏は「どちらかというと、内部の人間としては、この11月が一番大きなタイミングだと思っている。スマートスピーカーも出てきて、それまでの、ホームIoTはうまくいかないといったネガティブな流れも変わるのではないかと思った」とし、スマートスピーカーの勢いもある今回の発表がサービスのアピールの重要なタイミングと位置付けていることを明かした。

 7月から提供している「au HOME」のサービスの手応えについては、渡辺氏は「想定通りではあるが、ユーザーからはまず、設定が難しい、家の中で使えると思ったが(Z-WAVEの電波が)使えないといった申告もいただいた。想定してシミュレーションや試験運用はしていたが、実際のユーザー宅の状況は千差万別で、学習させていただいた。訪問設置のサポート、故障時のサポートとかの、強みであるサポートの部分をこの3カ月間拡充しながらやってきた。これから本格的に数を取っていくが、そのための準備期間として、運用部門を含めてトレーニングをやってきた」とし、実際上はトライアルに近い準備期間であったとした。

 なお山本氏は、今後のスマートフォンなどの端末ラインナップについて、NTTドコモの「M」などを引き合いにバリエーションや独自性について問われると、「au Design project」の15周年記念展示の会場で集めたアンケートで「やっぱりこういうのが欲しかった」といった声が多かったと振り返る。「上層部には怒られるかもしれないが(笑)、その手のオリジナルモデル、やってみたいなという気はしている。ネーム、ハード、あるいはソフトでも、オリジナルモデルを、『やってみよう』という気概を持つauとして、トライしていきたい」と、山本氏は前向きに検討中であることを明らかにしている。