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4辺狭額縁の次世代ディスプレイ「FULL ACTIVE」をJDIが披露

「FULL ACTIVE」ディスプレイ採用の中国シャオミの端末も展示

6インチ、18:9の「FULL ACTIVE」ディスプレイパネル(左)と「Mi MIX 2」(右)

 ジャパンディスプレイ(JDI)は、4辺を狭額縁とした液晶ディスプレイパネル「FULL ACTIVE」を日本で披露した。同社の組織再編や新役員の就任による戦略発表会で展示された。

 4辺が狭額縁の「FULL ACTIVE」ディスプレイパネルは、2016年8月に発表、2017年6月からはアスペクト比が18:9のパネルの量産が開始されている。上と左右の3辺を狭額縁としたパネルは他社からも製品化されているが、「FULL ACTIVE」ディスプレイパネルは下額縁も大幅に狭くしているのが特徴。下額縁以外は最薄で0.5~0.6mmにまで薄くでき(スマートフォンの額縁は強度設計の関係でもう少し太くなる)、ARなどでの利用にも最適とうたう。

 9月26日の発表会では、実際に約6インチのサイズで2160×1080ドットの「FULL ACTIVE」ディスプレイパネルを採用した中国・Xiaomi(小米、シャオミ)のスマートフォン「Mi MIX 2」も特別に展示された。

 今後は、2017年第4四半期から2018年第1四半期にかけて、中国をはじめいくつかのメーカーから、「FULL ACTIVE」ディスプレイパネルを採用したスマートフォンが登場する見込みという。

FULL ACTIVEディスプレイ搭載「Mi MIX 2」タッチ操作

 ディスプレイのアスペクト比については、4辺狭額縁のデバイスでは18:9(=2:1)にトレンドが移行すると予想。2018年には、同社からモバイル向けとして出荷するディスプレイの半分以上か、7~8割が、4辺狭額縁の「FULL ACTIVE」ディスプレイになると予想している。

 同社はほかに、ディスプレイを曲げられる「FULL ACTIVE FLEX」の開発も2017年1月に発表しているが、こちらの量産はもう少し後になる見込み。

 また、JDIは組織再編にともなって、製品開発サイクルが異なる、モバイル端末向けと車載ディスプレイ向けの事業を分けており、車載向けでは、バックミラー向けディスプレイの狭額縁設計に期待が集まっているという。

 同社はこうした4辺狭額縁の「FULL ACTIVE」ディスプレイを基盤技術として、事業を拡大していく方針。加えて、技術や部材の開発・提供だけでなく、既存の技術を組み合わせた、新たな利用方法の提案も行っていく方針を明らかにしている。

ジャパンディスプレイ 代表取締役会長 兼 CEOの東入來信博氏。組織再編を説明した
ジャパンディスプレイ 執行役員 チーフマーケティングオフィサーの伊藤嘉明氏。外部から招聘された新役員で、営業やマーケティングの改革を担う。「モノ作りからコト作りへ移行する」とビジネスモデルの転換を訴えた
「FULL ACTIVE」ディスプレイを活用するイメージ動画
FULL ACTIVEディスプレイ活用イメージ
ジャパンディスプレイ 上席執行役員 モバイルカンパニー社長の永岡一孝氏。「FULL ACTIVE」ディスプレイの技術的な解説や今後のトレンドを語った
※スライド中の「スマーフォン」は「スマートフォン」が正しい
左からジャパンディスプレイ 上席執行役員 モバイルカンパニー社長の永岡一孝氏、代表取締役会長 兼 CEOの東入來信博氏、執行役員 チーフマーケティングオフィサーの伊藤嘉明氏