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iPhoneやAndroidがCIAの盗聴ツールに……Wikileaksに機密文書

 匿名で政府機関の機密文書などを掲載するWikileaksで7日、米国中央情報局(CIA)のものとされる機密文書が公開された。スマートフォンやスマートTVをハッキングし、盗聴ツールに変えるといった手法が産みだされたという。

 Wikileaksによれば、CIAの機密文書は8761の文書とファイルからなり、「Vault 7」というコードネームが付けられている。機関内のハッカーや下請けスタッフの間で回覧されていた文書と推測されており、そうしたルートからアーカイブの一部がWikileaksにもたらされた。CIAのサイバーインテリジェンスセンター(CCI)には5000人以上のスタッフを抱える。

 トロイの木馬やウイルス、マルウェアを開発しているとのことで、特にモバイルデバイスを専門に扱う部署(Mobile Device Branch、MDB)も存在しておりiPhoneやAndroidを標的としたマルウェアなどが開発されたという。攻撃により侵入されたスマートフォンは、CIAに対してユーザーの現在地のほか、音声、テキスト通信を送信。電話のカメラとマイクを秘密裏に起動することもできる。

 WindowsやLinux、ルーターなどもハッキングの対象で、サムスンのスマートテレビに対する攻撃手法は英国の情報機関(MI5)とCIAが共同で開発、テレビに侵入すると部屋の会話を録音するという。

 Wikileaksでは、同サイト編集長のジュリアン・アサンジ氏のコメントとして「サイバー兵器には増殖する大きなリスクがある」と指摘。またCIAの本拠地であるバージニア州ラングレーでの活動に加えて、ドイツ・フランクフルトにある米国領事館は、欧州・中東・アフリカをカバーするハッキング活動の拠点になっている。機密文書の情報源は、サイバー兵器の安全性や使用・拡散などについての議論を望んでいるという。

 CIAのWebサイトでは今回の文書に対するコメントはまだ開示されていない。今回の文書が本物かどうかは不明だが、こうした諜報活動はテロ活動の防止や、米国民の安全保障などが目的と見られる。