インタビュー

ウィズコロナ時代のスマホアクセサリー、どんなアイテムが人気? UNiCASE東急プラザ表参道原宿で聞く

UNiCASE東急プラザ表参道原宿

 新型コロナウイルス感染症の影響は携帯電話業界にもさまざまな影響をもたらしている。携帯各社のショップが一時的に業務を縮小し、iPhone SEの発売日の調整などが実施される一方、リモートワークの広がりでモバイルデバイスの活用も広がってきた。

 スマートフォン関連のオリジナルアクセサリ―を手掛け、国内各地でスマホ関連アクセサリー専門店を展開するCCCフロンティアの「UNiCASE東急プラザ表参道原宿」を今回訪れ、直近の人気アイテムの動向を聞いた。そこからは、「新しい生活様式」に寄り添うアイテムの存在が見えてきた。

夏に向けて人気の「モバイル扇風機」

 まず最初に紹介する売れ筋アイテムはモバイル扇風機。持ち運べる小型の扇風機だ。2018年ごろから人気のアイテムで、参入するメーカーも増加した。

柱を取り巻く棚は来店客を最初に出迎える場所。売れ筋や“推し”の商品が並ぶ一等地だ

 CCCフロンティアの小野寺貴紀氏によれば、「以前は珍しさがあったが、今や多くの方が手に取るアイテムになってきた」という。

 マスクを身に着けての外出では、どうしても暑さが厳しくなる。そうした変化もモバイル扇風機に手を伸ばす要因の一つだ。

ちょっとしたアクセントで特徴的なデザインに仕上げられたハンズフリーデビルファン
風は上に向かって出る。首からかけておけば、顔に風があたって涼める

 たとえば同店で扱うモバイル扇風機としては、ミストを同時に放出するもの、デザイン性を追求したものがラインアップされている。同社では他の量販店にはない機能性や、女性に支持されるかわいいデザインのものなどをチョイス、店頭に並べている。

ファンの下にある穴からミストが出る。その仕組みは……
ファンの後ろにあるカバーを外し……
スティック部分に水を入れておく

防水ケース、新型コロナで新たなニーズ

 人気アイテム、続いて紹介するのは防水ケースだ。今どきのスマホなら当たり前のように備わっている防水機能だが、それでも防水ケースが売れているという。なぜか。

小野寺氏
「例年であれば5月の連休ごろからよく売れるアイテム。でも今年は自粛の影響でそうした特徴的な動きはなかったものの、人気のアイテムです。お客さまの声を聞くと、お風呂で安心して使いたいという気持ちがあるようです」

 そうした需要に加え、自宅で過ごす人が増え、自炊の増加も、キッチンまわりでスマホを使いたいというニーズが高まったようだと小野寺氏。

 そして新型コロナの影響も防水ケースを後押しする。つまり防水ケースを使うことで、スマホを直接触らずに済むという考え方だ。防水ケースに入れておけば、たとえば外出後も、気兼ねなく洗える。そうした用途を見込んで手にする人が増えている。

タブレットを便利に使うアイテムたち

 リモートワーク、テレワークの増加で売れたアイテムはオーディオ関連だ。

 「タブレットで仕事する方も多い」(小野寺氏)とのことで、ビデオ会議に向けて、手頃な価格帯の完全ワイヤレスイヤホンをはじめ、イヤホン、Bluetoothスピーカーの人気がアップ。

 また、これを機に完全ワイヤレスイヤホンを手にする人も多かった。オーディオカテゴリーでは「ハッピープラグス」がよく売れたという。

 取材時に紹介されたアイテムの中には、手のひらにすっぽり収まるスピーカーもあった。これも人気とのことで、サイズの割に意外とよく鳴る仕上がり。スピーカーながら、スマホカメラのワイヤレスシャッターボタンとしての機能も備え、一石二鳥なところが注目されたとか。

 iPhoneユーザーにはおなじみのAirPods/AirPods Proも、ケースが今、大人気商品のひとつ。UNiCASEのオリジナルケースも人気で、一部のカラーバリエーションは品薄が続いている。

スタンドも売れ筋に

 またスタンドは、特にタブレットでビデオ会議に臨む人がよく購入した製品だ。オウルテックのアルミスタンド(1980円、税抜/以下同)は値ごろ感もあって売れ筋のひとつ。

 そして象のシルエットを採用しつつ、ワイヤレス充電機能も備える「エレファントワイヤレス充電器」は、3300円という価格もあってか、ギフトとして買う人が増えた。

話題となり、一時品薄になるほどの人気となった、象をかたどったスタンド

 スタンド関連では、スタンドになるスマートフォンケースなどについての問い合わせも増えた。

Apple表参道の再開で増えたiPadのフィルム貼り

 外出自粛要請が終わった後、携帯電話関連のショップの多くが、新型コロナウイルス感染症対策を施しつつ、通常営業に戻った。

 その後、UNiCASE東急プラザ表参道原宿で多くのユーザーが手にしたのが、iPad向けのフィルムだ。

 テレワークの影響でタブレットのニーズが伸びた影響もあったとみられる中、特にUNiCASE東急プラザ表参道原宿ではiPad Proの12.9インチモデル用のフィルムが人気。これは土地柄か、クリエイティブ関連のユーザーが多いのかもしれない。

 UNiCASE各店では、指定の画面保護フィルムを買うと、その場で追加料金なしのままフィルム貼りサービスを利用できる。そうした点が人気を呼んだようだ。

スマホケースのトレンドは

 さて、スマートフォンアクセサリーの代表格と言えるスマホケースのトレンドといえば、「かつての定番だった背面型ケースのほうが人気。社内でも復権した、と感じている」と小野寺氏。

売れ筋トップはゼロハリバートンとのコラボケース「ZERO HALLIBURTON Hybrid Shockproof Case」
人気の背面型
売れ行き2位のSonixの「CLEAR COAT(COFFEE)」
こちらは3位の天然貝ケース

 ちなみにICカードの収納部分をケースに求める声は引き続き多く、今も同社製品をはじめ、多くのケースにカード収納機能がある。

カードポケットとリングを加えるアイテムも

 スマホをビデオ会議などに使う人も多いようで、以前からの定番アイテムであるスマホリングについては「スマホを立てられますか?」という問い合わせが増えた。

スマートフォンを持ちやすくするホルダーのように見えるが
形状を変えて
スタンドへ変形
横向きにしても大丈夫

 現在、UNiCASE一押しのケースは女性向けに仕立てた「IROMEKI」シリーズ。品質、デザインにこだわった製品で、UNiCASEおよび一部の販売店でしか手に入らないアイテムだ。

IROMEKIシリーズ

 この春、iPhone SE(第2世代)が登場し、ケースも多く登場。それらに加えて、ガラスフィルムも数多く購入されており、特に全面を覆うフルカバータイプがよく売れている。

取材中にスタッフのiPhoneにフィルム貼りをお願いしてみた。あっという間に作業終了

 ケースのトレンドにも変化が見える一方、関連グッズで新型コロナウイルス感染症の影響を受けた「ウィズコロナ時代」の世情が透けて見える。引き続き本誌では、UNiCASE各店の取材を通してトレンドをお伝えしていく。