【WIRELESS JAPAN 2010】
KDDI、MediaFLO試作機で携帯向けマルチメディア放送をアピール


 KDDIブースでは、携帯電話向けのマルチメディア放送技術「MediaFLO」の試作機などを展示した。

 アナログテレビ放送の跡地を利用したVHF-HIGH帯による携帯向けマルチメディア放送は、NTTドコモらが推すISDB-Tmmと、KDDIとクアルコムらが推すMediaFLOの一騎打ちとなっている。総務省では同周波数帯において、受託事業者として1社を選択する方針だ。

 今回ブースでは、MediaFLO対応の携帯電話試作機(京セラ製)を展示し、有線接続による視聴デモが行われた。また、MediaFLO方式に対応したWi-Fi端末(試作機)「PocketFLO」も展示されており、iPhoneでワンセグを視聴するワンセグチューナーのように、MediaFLO端末で受信した放送波を無線LANでスマートフォンに転送して視聴するデモなどが披露された。担当者によると、同端末で3時間の視聴が可能という。

 このほか、米国で商用サービスが展開されているMediaFLO端末も紹介されていた。MediaFLO方式はISDB-Tmm方式と異なり、米国で商用展開されているという実績が売りの1つになっている。ただし、米国で展開されている端末は、UHF帯のMediaFLO方式に対応した端末となるため、仮にMediaFLOが日本で採用された場合でも現在の端末は利用できない。

 クアルコムでは、日本が採用するVHF帯と海外のUHF帯に対応したマルチバンドのMediaFLOチップを開発しており、今回の京セラ製の携帯電話試作機には、このマルチバンドチップが採用されている。担当者は、米国でもマルチバンドチップへの移行が進むだろうと話していた。


 



(津田 啓夢)

2010/7/14/ 22:25