【東京ゲームショウ2009】
コーエー、バンダイナムコ、スクエニがiPhoneゲームを展示


 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、コンピュータゲームの展示会「東京ゲームショウ2009」を9月24日~9月27日に幕張メッセで開催している(一般公開日は26日と27日)。今回のゲームショウでは、ケータイ向けコンテンツを持っている大手ゲームメーカーも、ドコモブース内で展示するだけで、自社ブースではケータイ向けコンテンツを展示しない、というケースが多かった。

 その中で目立ったのが、大手メーカーによるiPhone/iPod touch向けゲームの展示だ。コーエーテクモホールディングスとバンダイナムコゲームスは通常のケータイ向けゲームは展示せずにiPhone/iPod touch向けゲームを展示し、スクウェア・エニックスは普通のケータイ向けコンテンツの展示に加え、iPhone/iPod touch専用のコーナーを設けていた。

新作「三國志 TOUCH」を展示するコーエーテクモ

コーエーテクモホールディングスブースのiPhoneコーナー

 コーエーとテクモは、2009年4月に経営統合をしたため、コーエーテクモホールディングスとして展示を行っている。同ブースでは普通のケータイ向けのゲームは展示されていないが、ブース2階に設けられたネットワーク対応ゲームのエリアには、iPhone/iPod touch向けのゲームが展示されていた。

 テクモブランドではすでにiPhone/iPod touch向けのゲームが配信中で、ブースでは「Annie's Wild Shot」と「DOA BlackJack ~the Kasumi version~」、「Rio BlackJack」が展示されていた。最初の2作は既存のキャラクターを使ったゲームだったが、最新作の「Annie's Wild Shot」は完全オリジナルの内容となっている。

 コーエーブランドとしては、初のiPhone/iPod touch向けタイトルとなる「三國志 TOUCH」を展示している。こちらはコーエーの人気歴史シミュレーションゲーム「三國志」シリーズのiPhone/iPod touch版で、内容としては初代「三國志」のリメイク版である「三國志リターンズ」をベースとしているという。画面は縦長で使いすべてをタッチで操作するなど、完全にiPhone/iPod touch向けにアレンジされている。

三國志 TOUCHAnnie's Wild Shot
DOA BlackJack ~the Kasumi version~Rio BlackJack

バンダイナムコは「ACE COMBAT Xi」を展示

 バンダイナムコゲームスはiPhone/iPod touch向けのフライトシューティングゲーム「ACE COMBAT Xi(仮)」を展示している。「ACE COMBAT Xi(仮)」は同社のフライトシューティングゲーム「ACE COMBAT」シリーズのiPhone/iPod touch版。2006年にPSP向けに発売された「ACE COMBAT X スカイズ・オブ・デセプション」の続編ストーリーになっているが、ゲームシステムはiPhone/iPod touch向けに新規で開発されている。機体の操作はiPhone/iPod touchを傾けて行い、加速や武器使用時のみ画面をタッチする形式となっていた。

 「ACE COMBAT Xi(仮)」は2009年冬にApp Storeにて配信される予定。価格は未定となっている。ダウンロードコンテンツ形式で追加機体も用意されるとのこと。

ACE COMBAT Xiは普通のゲームに混じって展示されている。3台の試遊用のiPhoneが用意されていたヘッドホン付きでデモプレイできる。ちなみにゲーム内の音声処理には後述のCRIのミドルウェアが使われている

スクウェア・エニックスは新作iPhoneゲームを3本展示

スクウェア・エニックスブースの裏手にあるiPhone/iPod touchコーナー
3台のiPhoneが用意され、来場者がプレイできるようになっていた

 スクウェア・エニックスでは、iPhone/iPod touch向けゲームの展示コーナーも設け、「スライディング・ヒーローズ」と「国破れて山河あり」、「ソングサマナー 歌われぬ戦士の旋律 完全版」の3つの新作タイトルを展示していた。

 このうち「スライディング・ヒーローズ」はゲームショウ初日の9月24日から配信を開始していて、App Storeからダウンロード可能になっている。内容は端末本体を傾ける、いわゆる「玉転がし」系だが、玉の代わりに戦士や魔法使いといったキャラクターを移動させ、敵を倒してゴールに行くというシミュレーションRPG的なものになっている。価格は600円で、無料のライト版も用意される。

 「国破れて山河あり」は同社がiモードとEZweb向けに提供しているリアルタイムストラテジーのiPhone/iPod touch版。タッチで操作できるようにインターフェイスが変更されている。こちらの配信時期などは未定。

 「ソングサマナー 歌われぬ戦士の旋律 完全版」は、iPodに入っている楽曲を元にキャラクターを召喚して戦わせるというシミュレーションRPG。曲のジャンルやアーティストによって異なるキャラクターになるという。元々はホイールタイプのiPod nanoやiPod classic向けに提供されていたゲームで、そのタッチ操作版となる。こちらも配信時期などは未定。

 スクウェア・エニックスのブースでは、普通のケータイ向けのコンテンツとして、iモード向けの「聖剣伝説2」と「グイン・サーガmobile」、同社のコミックのサイト「ガンガンモバイル」と「ガンガンコミックス」を展示している。

普通のケータイ向けコンテンツの紹介コーナー新作RPG「グイン・サーガmobile」はiモード向けに10月配信予定

開発者向けにiPhone用ミドルウェアも多数展示

 中小のコンテンツプロバイダーなどが集まる「アドバンスド モバイル&PCコーナー」では、ウィアー・エンジニアリングが立体物を盤面とする五目並べ「WAE五目並べ」を展示している。こちらはiPhone版だけでなく、Android版も展示していた。盤面が球体のバージョンのiPhone版が2009年11月に配信され、盤面がドーナツ型、いわゆるトーラス体になっているバージョンも予定されている。

WAE五目並べAndroid版のWAE五目並べ。エミュレーターとネット対戦している
CRI・ミドルウェアのCLOUDIA
クウジットの展示

 iPhone関連としてはゲーム自体以外にも、開発者やコンテンツプロバイダー向けにミドルウェアなどの展示も行われていた。

 さまざまなゲームメーカーに動画・音声再生ミドルウェア「CRIWARE」などを提供しているCRI・ミドルウェアは、iPhone向けの動画・音声再生ミドルウェアを展示するとともに、新規となるiPhone向けのマーケティングツール「CLOUDIA」を展示している。こちらは広告・告知機能をゲームなどのアプリに組み込むことで、ユーザーがどのような嗜好を持っているかを調査するというソリューションとなっている。

 クウジットは無線LANを使った測位ソリューション「PlaceEngine」をビジネスデイ限定で展示している。無線LANを使うため屋内でも使えることが特徴で、iPhone/iPod touchに限らず、PSPやニンテンドーDS、パソコンなどにも対応していて、すでにPSP向けの地図ソフトでの利用実績もある。頓智ドット(とんちどっと)のiPhone向けARアプリ「セカイカメラ」にも搭載されている。

 頓智ドットの「セカイカメラ」は、ゲームショウではCoFesta(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)のブースでも紹介されている。「セカイカメラ」のアプリはゲームショウの初日に配信が開始されており、同ブース前では来場者が自前のiPhoneで「セカイカメラ」を使っている光景も見られた。

CoFestaブースでのセカイカメラの紹介さっそく多数のエアタグが会場に書き込まれていた


(白根 雅彦)

2009/9/25/ 13:23