【Mobile World Congress Shanghai 2015】
日本発売予定の「Blade D6」など展示、MVNOの特徴あるサービスも
(2015/7/16 17:02)
スペイン・バルセロナで開催されるMobile World Congressとは異なり、中国色の強いMobile World Congress Shagnhaiでは端末の展示が少ない傾向にある。展示会場にあるブースも、中国キャリア、中国メーカーが中心だ。バルセロナでも中国メーカーの存在感は年々増しているものの、サムスンやLG、ソニーなどのグローバルメーカーが不在という点は大きな違いと言えるだろう。
また、今回のMWC ShanghaiはMVNOも主要なテーマの1つ。単なる“格安SIM”に止まらない、工夫を凝らしたサービスをアピールしている会社も多かった。
「Blade D6」を発表したZTE、日本での発売も予定
端末メーカーとしては、ZTEとファーウェイの2社が大きく、ブースにも多数の来場者が詰め掛けていた。ZTEは、MWC Shanghaiに合わせ、新端末の「Blade D6」を発表。日本で「g03」と呼ばれている「Blade S6」の姉妹機にあたる位置づけのスマートフォンとなり、ZTEの発表によると、日本での発売も予定している。g03などと同様、MVNO向けのSIMフリー端末になりそうだ。
金属筐体“風”だったBlade S6とは異なり、Blade D6は背面に本物の金属を使用しているのが特徴。チップセットにはメディアテック製の「MT6753」(クアッドコア)を採用しており、OSはAndroid 5.0となる。背面には1300万画素カメラを搭載。ダブルカラーフラッシュを備えるのも、この機種ならではだ。
また、Blade D6はSIMカードスロットにも工夫があり、1つのトレイの両面に、nanoSIMとmicroSIMの2枚が刺さるようになっている。microSIMとmicroSDは排他の仕様で、どちらか1枚を挿せる。通信方式は片方がLTE、片方がGSMだが、どちらでLTEを使うかは切り替えが可能だという。
発売直後の「honor 7」を展示したファーウェイ
日本では楽天モバイルとタッグを組み、「honor6 Plus」を発売したファーウェイだが、中国市場ではすでに後継機の「honor 7」が登場している。MWC Shanghaiの同社ブースにも、この機種が展示されていた。
honor 7は、ボイスコントロールに対応しており、側面には専用ボタンを装備。ここを押して、端末に話しかけ、アプリを声で呼び出す仕組みだ。ベースとなる端末のスペックも高く、ディスプレイは5.2インチのフルHD。ハイシリコン製のオクタコアCPU「Kirin935」を内蔵し、背面にはサファイアガラスのレンズを備えた2000万画素カメラを搭載する。
筐体は金属素材でできており、質感が高いのも特徴。背面には同社の「Ascend Mate 7」と同様の、指紋センサーを装備している。
MVNOの工夫を凝らしたサービスが続々
2014年に中国でMVNOが開始されたことを受け、MWC ShanghaiではMVNOが主要なテーマの1つになっていた。MVNO各社もブースを出展。大手キャリアとは異なる、独自性をアピールしていた。
Snail Mobileは、ゲームに特化したMVNO。OSにAndroidを採用したゲーム端末を発売しており、同社のSIMカードを利用すると、ゲームをダウンロードする際の通信量がカウントされないという。ゲームアプリは、同社が用意したプラットフォームからダウンロードする仕組み。Snail Mobileはほかにも、中国人向けの海外用SIMカードを国別に展示していた。こうしたSIMカードを並べた、自動販売機も展示するなど、個性的なサービスをアピールしていた。
特定のサービスだけに通信を限定する代わりに、料金を抑える仕組みは、ほかにもある。イタリアに本拠地を構えるというZeromobile社が販売しているのが、メッセージアプリに特化した「ChatSim」というSIMカードだ。説明員によると10ユーロ(約1354円)で1年間、テキストメッセージが使い放題になるといい、LINEやSkype、Facebook Messengerなど、主要なサービスに対応する。
中国人旅行者に向けたMVNOのSIMカードは、ほかにも多数出展されていた。そのうちの1社「roam2free」は、44カ国でローミングサービスを提供。200MBで68元(約1355円)、500MBで138元(約2751円)、1GBで238元(約4744円)という料金を打ち出していた。