【MWC Barcelona 2024】
MWCのドコモブースで「香り」を生成する技術、VR空間のわんこと遊ぶデモも
2024年3月2日 10:00
2月26日~29日に開催された「MWC 2024」のNTTドコモブースは、先端的な技術を体験できる内容がラインアップ。筆者が取材で訪れるタイミングでは絶えず人が並び、注目を集める内容だった。
最先端の取り組みとして、同社が6G時代に味覚などを他者へ共有できるようにする技術を使う「人間拡張基盤」では、今回、ワインの香りをより良いものにする技術が披露されていた。嗅覚は人によって異なるところがあるため、まず最初にアンケートに答え、システム側で傾向を把握するようにする。
その上で、最初に一般的な白ワインの入った器が渡される。そのワインへ、数滴、香りを増す物質を足してみると、より高級なワインの香りに変貌するという。
開発中のため、どこまで正確に嗅覚を把握してくれるか、その精度にまだ課題はあるようだが、実際に香りを確かめてみたところ、最初の白ワインに比べ、後から渡された器のほうが、はっきりと白ワインのフルーティさが強く伝わったように感じ取れた。
「この技術が確立されれば、離れた場所にいる人と、同じ味わいの食べ物やお酒を楽しめるのでは?」と、未来への可能性を十分に想像させてくれるデモンストレーションだ。
このほか人気を集めていたのが、VRにいる柴犬と遊ぶもの。VRゴーグルに加えて、指先や手首に振動や力をフィードバックする装置を装着することで、柴犬(仮想)をなでまわす体験、あるいは紐のおもちゃ(仮想)で柴犬(仮想)と引っ張りあいっこ(仮想)する体験や、リード(仮想)を持って豊かな自然(仮想)のなかを一緒に散歩する体験を味わえる。
手・腕に付けられた装置は、指先への振動や手首を少ししめつけるといった動き方で、現実の犬と同じようなことをしても感触自体は異なるはずなのだが、視覚で得ている犬の動きといった情報と、手首や指に伝わるフィードバックのタイミングにずれがなく、VRゴーグル内で見える自分の手と、実際の手の動きもきちんとシンクロしており、かなりの没入感を得られた。MWC会場は広大なため、取材道具を持って歩き回っていた取材陣のなかには、仮想空間での柴犬との遊びに「……癒やされました」とつぶやく人もいた。
このほか同社ブースでは、6Gに向けてサービスエリアを見える化する技術のイメージ、新発表されたARグラスが紹介されていた。