【Mobile World Congress 2011】
ドコモ山田社長、通信ビジネスの広がりを語る


NTTドコモ、代表取締役社長、山田隆持氏

 Mobile World Congressで開催された「Connecting the Dots - A 360°View on Consumer Electronics」と題するキーノートセッションに、NTTドコモの代表取締役、山田隆持氏が登壇。データARPUの伸びや、M2M市場で急拡大しているスマートフォン市場を語った。

 冒頭、山田氏は日本における高い3Gの浸透率を解説。ドコモでは、「3月末までにデータARPUが音声ARPUを超える」という見通しを語った。2012年には、トータルでのARPUが反転する予想を立てている。M2M(Machine to Machine、通信モジュールなど機械同士が通信する仕組みのこと)市場でのシェアも40%を超えており、山田氏は「このマーケットでもドコモはリーダーだ」と自信をのぞかせた。

日本市場の先進性を解説2012年には総合ARPUが反転するとの見通しを語った
M2M市場でも、ドコモは高いシェアを確保している

 「成長への新しいアクション」として、ドコモは「スマートフォンでデータARPUを加速させる」という。結果として増大するデータトラフィックに対しては、「LTEを導入して対応していく」と語った。山田氏は昨年12月にサービスインした「Xi」についても言及し、「まずはデータオンリーで始めたが、今年中にWi-Fiルーターや音声端末型の機種も投入する」というロードマップも披露した。

スマートフォンのラインナップやspモードを紹介昨年末にサービスインした「Xi」

 一方で、ケータイのデータ通信は「多様な生活のツールになっている」という。そこでのキーワードは「コンバージェンス」だ。「モジュールや情報端末関わってきたドコモは、ネットワークを使った幅広いサービスを提供している」と話し、「この取り組みは世界の中でもユニークなポジションにある」としながら、自社のサービスを紹介した。1つ目が「情報端末のコンバージェンス」で、山田氏は先日開始した電子書籍サービス「2Dfacto」の概要を解説。「ジョイントベンチャーを通じて電子書籍を提供する。これは、タブレットやブックリーダーなどのデバイスで読める」と語った。山田氏は、このサービスに続けて、デジタルフォトフレームや、日産のリーフに内蔵された通信モジュールを紹介。後者のソリューションは、Mobile World Congressで「global mobile award 2011」を受賞し、世界からも評価されている。

電子書籍サービス「2Dfacto」の概要通信モジュール内蔵のフォトフレーム
自動車との連携サービスにも取り組む

 このほか、山田氏は自販機などの産業機械に通信モジュールが採用されていることに言及。「モバイルを中心とした、総合的なサービスプロバイダーになる」と語り、スピーチを締めくくった。

自動販売機などにも通信モジュールを内蔵総合サービスプロバイダーになるというビジョンを紹介

 



(石野 純也)

2011/2/17 10:56