【Mobile World Congress 2010】
最新プラットフォームを発表したLiMo Foundation


 LiMo Foundationのブースでは、例年同様、LiMoプラットフォーム(LiMo Platform)を採用した携帯電話群が展示された。

 LiMo Foundationは、Linuxベースの携帯電話向けソフトウェアプラットフォームを提供する団体。参加するメーカー間でミドルウェア関連など基本技術を共有し、端末の味付けは各メーカー間に委ねられている点などが特徴となる。日本メーカーでは、パナソニック モバイルコミュニケーションズやNECなどが参加している。

 なお、AndroidもLinuxベースの携帯プラットフォームとなり、今年のMobile World Congressでは、Android搭載端末が多数登場することになった。かつてはLiMo Foundationのボードメンバーだったモトローラ(現在は離脱)もAndroid端末を投入しており、ほかに比べて、LiMoの存在感が薄れてきたような印象も受ける。

 こうした点について、パナソニック モバイルコミュニケーションズの担当者は、「LiMoは確かに地味な存在かもしれないが、しかし、Androidのように目立つ必要のないプラットフォームともいえる」と語る。LiMoのそもそもの生い立ちが技術者間のエコシステムの構築を目的としたもので、基本構造以外は各メーカーが自由に開発できることがその理由だ。

 LiMoは、各社がオープンにできる技術を共通化していく中で、同時にオープンにした技術についてはメンバーを訴えられないルールがあるという。つまり、A社がオープンにしたソースコードの中に、B社のパテントが含まれていた場合でも、メンバー同士では権利を主張できないことになる。担当者は、「こうしたルールによって技術者はIPR(知的財産)へのリスクを回避できる」と話した。端末メーカー各社は、IPRに50~100億円程度を供出しており、仮にソースコードに類似性が認められた場合、「事業部全体が多大なリスクを背負う可能性がある」(担当者)という。

 なお、LiMo Foundationは15日、位置情報サービスに対応した最新バージョンのプラットフォーム「R3」を発表したほか、Adobeの参加をアナウンスしている。

 



(津田 啓夢)

2010/2/19/ 12:41