【Mobile World Congress 2010】
ドコモ、「電力の可視化」など宅内通信連携技術を紹介


家で使われる電気を携帯でチェック&制御

 NTTドコモのブースでは、同社の米国研究機関であるDOCOMO Communications Laboratories USAがデジタルフォトフレームなどを利用して電力を可視化する研究成果を披露した。

 今回のデモは、家庭内のコンセントに近距離無線通信規格「Z-Wave」を搭載したアダプターを装着し、宅内のあらゆる機器を携帯電話やデジタルフォトフレームなどで制御しながら、電力消費をチェックするというもの。Z-Waveは、Zigbeeと似た近距離無線通信規格で、今回のホーム電力マネジメント機能だけでなく、センサーネットワークなどでの利用が見込まれるという。

 会場説明員によれば、電力を可視化することで、普段の生活の中で電気をたくさん使っているものがわかるため、省エネにつながるとしている。また、Z-Wave対応のアダプタを利用することで、電力マネジメント機能のない家でもあとからこうしたシステムが導入できるとしている。

 なお、研究段階のものとなるため、サービスの詳細は未定。

「Z-Wave」対応コンセントアダプター

 また、同社が業務・資本提携する米パケットビデオのアプリケーションとAndroid端末「HT-03A」を使った宅内マルチメディア連携機能などもデモが披露された。

 パケットビデオでは、宅内にあるテレビや音楽機器、デジタルフォトフレームなどの機器間で、音楽や動画、写真などを共有できる「TwonkyMedia」と呼ばれるソリューションを提供している。1月にはAndroid向けアプリ「TwonkyServer Mobile」の提供を開始しており、「HT-03A」をメディアサーバー化して、記録された写真や動画をテレビやデジタルフォトフレームで表示可能になった。

 今回のデモでは、「HT-03A」で写真を撮影し、デジタルフォトフレーム側に撮影した画像を表示させるデモが行われた。新たにリモートアプリを開発し、「HT-03A」からホームネットワークにリモートアクセスし、メディアサーバー化した「HT-03A」内の画像表示するという方法がとられている。

サーバーとリモートアクセス用の2つのアプリがセットされている撮影した写真をデジタルフォトフレームに表示

 ブースでは、おサイフケータイのデモも行っていた。ブースでは、FeliCaやNFC(Near Field Communication)などを利用して、携帯電話をかざして商品を買う行為を「おサイフケータイ」と説明しており、かざす行為そのものを知って欲しいという意図がうかがえた。説明員は、欧州でNFCの導入が期待される一方でなかなか普及しない現状について、おサイフケータイ導入前からSuicaなどが認知されていた日本とは異なる苦労があると話していた。

 このほか、「CEATEC JAPAN 2009」で参考出品された「眼で操作できるイヤホン」が来場者の関心を集めていた。

おサイフケータイのデモ眼で操作できるイヤホン


(津田 啓夢)

2010/2/16/ 11:18