【Mobile World Congress 2010】
ドコモ、映像ストリーミングや遠隔PC操作などLTE端末のデモ
LTEコミュニケーションデバイス |
NTTドコモのブースでは、NEC製Android端末「LTEコミュニケーションデバイス」(試験用端末)を使ったLTEのデモ展示が行われている。
今回のデモは、NECが2月1日に発表した「LTEコミュニケーションデバイス」を使って、LTE環境での動画やリモートデスクトップなどを披露するというもの。イベント会場でLTEの電波を吹いているのではなく、アンリツ製の基地局シミュレーターを利用してLTE環境を再現している。
映像ストリーミングのデモでは、720×1480サイズのハイビジョン品質(フルハイビジョンではない)の映像が表示され、ブロックノイズのないなめらかな映像が公開された。映像のビットレートについては非公表。現状のFOMA網を模して、下り7.2Mbpsの伝送速度で同じ映像を表示するデモも披露され、こちらはハイビジョンの映像はコマ落ちしたように表示された。
リモートデスクトップのデモでは、LTEの通信環境でも遠隔地のパソコンをスムーズに操作できる様子が披露された。LTEは高速なスループットに加えて、低遅延も特徴になっており、リモートデスクトップ環境でもレスポンスの良い操作が行えた。実際にキーボードで文字入力も体験できたが、普通にパソコンを使っているような感覚で文字の表示が遅れることなく入力できた。
なお、今回披露された「LTEコミュニケーションデイバイス」は、イベント展示目的に開発されたもので、製品化などの予定はないという。端末はNECブースでも展示されている。
ブースの説明員によれば、LTEコミュニケーションデバイスのOSにはAndroidを採用しているという。LTEのチップは、ドコモとNEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、富士通と協力して開発したものが搭載されている。各社が共通のチップを使うことで開発コストを抑えたLTEの導入が可能になると話していた。
このほか、富士通製のExpress Card型LTE端末も公開されていた。こちらも前述した共通のLTEチップが搭載されており、PC上の動画ストリーミングデモが行われていた。
ドコモでは、LTEのサービス像について詳細を検討中としており、サービスの詳細を明らかにしていない。同社は2010年後半にもLTEサービスを提供する予定で、秋頃にもサービスの全容を明らかにするものと見られる。HSPAとLTEのデュアル対応チップなども検討されているという。
(津田 啓夢)
2010/2/16/ 00:00