【Japan IT Week 2012春】
スマホでオンラインとオフラインは曖昧に――グーグルAlegre氏


Daniel Alegre氏

 5月9日~11日にかけて、東京ビッグサイトにおいて、IT関連の展示会「Japan IT Week 2012春」が開催されている。この中で、グーグルのアジア太平洋地域を担当するDaniel Alegre社長が基調講演を行った。

 講演タイトルは、「なぜスマートフォンへの対応が、今年の日本のビジネス界にとって重要な課題なのか? ~スマホで変わるマーケティング~」というもの。Alegre氏は、「ここ数年のスマートフォンは、人々のやりとりを変化させた」と話し、「オンラインとオフラインの違いはなくなってきている。もしかして、Twitterを通じて今この講演をオンラインで伝えているかもしれない。スマートフォンによってオンラインとオフラインは曖昧なものになった」と語った。

 また、スマートフォン利用者の95%はネット接続のために端末を購入し、実際に73%が利用していると紹介。さらに、68%が毎日スマートフォンで検索を行い、76%がスマートフォンで動画を楽しむと説明した。

 Alegre氏は「スマートフォンユーザーはオフラインがほとんどない。買い物はそれが顕著だ」と述べ、これまでオフライン空間であった店舗でもスマートフォンユーザーは店舗内でより詳しい内容を調べるとした。また、同氏は店舗でWi-Fiを導入することで売上げが上がるとし、「ネットで価格をチェックするのは、ぼられていないか確認したいだけで、価格がそれほど違わなければ購入する」と話していた。

 このほか、消費者の一例として紹介された動画では、ネットにより時間が効率化できるとし、靴を購入する際に店舗で試し履きを行い、ネットで購入すると話す男性が紹介された。

 Alegre氏は、利用者がテレビ、パソコン、スマートフォン、タブレットの4つのスクリーンについて言及する中で、「広告を的確に提供するには、どうやってコンテンツを消費しているかを考えねばならない」と語った。テレビを見ながらスマートフォンも同時に利用している例などが紹介された。

 さらに、ユーザーがメディアを利用する消費率と広告費用のグラフを紹介し、テレビや新聞に比較すると、パソコンやスマートフォンは広告費用の割合が少ないことを説明。「ユーザーは1日の10%をスマートフォンに使っているのに広告がない、ここはチャンス、そこでGoogleはそこを注力している」などと語った。

 このほか講演では、スマートフォンサイトの最適化を診断するGoogleのサービス「GoMo」などが紹介された。Alegre氏は「私たちはWebの力をあなたのものにしたい」などと語って講演を終えた。



 

(津田 啓夢)

2012/5/9 17:51