【IFA2016】

レノボ、LTE対応2in1タブレット、Moto Z Playなどを発表

 レノボは9月2日から開催されるIFA 2016を前に、プレスカンファレンスを開催し、ユニークなユーザーインターフェイスを採用したLTE対応の2in1タブレット「Yoga Book」をはじめ、モトローラブランドのスマートフォンの新製品「Motorola Z Play」と拡張モジュール「Moto Mods」などを発表した。

今年6月のLenovo Tech Worldで明らかにされた拡張モジュール「Moto Mods」の具体的な製品を発表
Moto Z Playの価格は499ユーロ、408米ドルから。ミッドレンジの価格帯に位置付けられる

“The Touch Generation”のための「YogaBook」

13.9インチの4Kディスプレイを搭載したYoga 910。指紋認証センサーを備えるなど、ライバルを意識した構成

 プレスカンファレンスでは、これまでの多くのタブレットユーザーの利用シーンは、オフィスなどから帰宅後、夕方以降に利用する頻度が高いとされているのに対し、スマートフォンを中心に触れてきた「The Touch Generation」と呼ばれる若い世代の人たちは、学校やオフィスなどでメモを取り、カフェでレポートを作成し、移動中の電車では電子書籍を読み、夜は自分の楽しみのための情報収集に使うなど、さまざまな時間帯での活用を望んでいることが紹介された。

 こうしたユーザー層に対する提案として、レノボは今までにない新しいコンセプトで開発した「Yoga Book」を発表した。Yoga Bookは10.1インチのWUXGA対応ディスプレイと「Instant Halo Keyboard」と呼ばれるフラットなパネルを組み合わせたタブレットで、プラットフォームはAndroidとWindowsが提供され、いずれもWi-FiモデルとLTE搭載モデルがラインアップされる。

ウォッチバンドスタイルのヒンジを採用したYogaBook。本体は10.1インチサイズで、薄さも9.6mmとコンパクト&スリム

 本体は一般的な2in1タイプのパソコンなどと同じように、ディスプレイ部とキーボード部で構成される。ディスプレイ部とキーボード部は同社の他のYogaシリーズでも採用されているウォッチバンドスタイルのヒンジで接続されており、ディスプレイ部を内側に折りたたむことができるだけでなく、逆に折り曲げ、ディスプレイ部を立てて、エンターテインメントコンテンツを視聴したり、360度反転させるようにして、ディスプレイ部のみを操作するタブレットらしい使い方もできる。

ステージにはHasselblad社CEOのPerry Oosting氏が登壇。アポロが月面着陸をしたときのカメラがHasselblad製であることは知られているが、地球との通信にはモトローラ製の機器が使われており、Moto Modsでの協力は「運命のようだ」と紹介。
Perry Oosting氏とLenovo社のCheif Marketing Officer and Senior Vice PresidentのDavid Roman氏が握手を交わしたあと、お互いが持つHasselblad True ZoomとMoto Z Playをドッキングさせて、協力関係をアピール
10.1インチディスプレイとInstant Halo Keyboardを組み合わせたYoga Book

 これに対し、一般的な2in1タイプのパソコンのキーボード部分に相当するInstant Halo Keyboardは、突起のないフラットな形状で仕上げられており、QWERTY配列のキーがイルミネーションで浮かび上がるようになっている。キーを押すと、ハプティクス技術により、指先にフィードバックが得られ、ノートパソコンのタッチパッドに位置する部分も同じように操作することができる。このキーボードの開発には同社の大和研究所が関わっているという。同社のテストで1分間に入力できる文字数を比較したところ、タブレットの画面上に表示されるソフトウェアキーボードが毎分91文字、10インチの物理的なキーボードが毎分149文字、12インチの物理的なキーボードが毎分169文字であるのに対し、Instant Halo Keyboardは物理的なキーボードと同レベルの毎分151文字という結果が得られたという。今回の発表でお披露目された製品は、英語配列のキーのキートップだったが、日本語など、他の言語用のキーボードも開発することが可能だという。

Instant Halo KeyboardにはQWERTY配列のキーボードがイルミネーションで表示される。手前側はタッチパッドとして操作が可能

 そして、Instant Halo Keyboardがもっとも特徴的なのは、このキーボード部分に紙などを置き、付属のデジタイザペンで紙に書き込むと、同じように軌跡が入力され、その内容がディスプレイに表示される。つまり、キーボード部分に置いた紙に文字や数式、図などを書きながら、その内容が手書き入力ができるわけだ。このInstant Halo Keyboardの内部にはワコムのデジタイザセンサーが内蔵されており、表面から10mm離れた状態でも付属のデジタイザペンの動きを検出できるため、一般的な大学ノートやレポート用紙のような冊子を置いて、その上で文字などを書いても入力することが可能だ。付属のデジタイザペンは電磁誘導式で、2048段階の筆圧を検出し、ペン先はスタイラスとボールペンの2種類が標準で提供される。10.1インチのWUXGA対応ディスプレイもタッチパネルに対応し、指先や付属のスタイラスペンなどでの操作が可能だが、AnyPen技術により、導電性のある他のペンでの操作も可能だという。

テストでは物理的なキーボードと変わらない速度でタイピングできるという結果が得られた
Yoga Bookのキーボード部に紙を置き、そこに文字を書くと、同じ文字がそのままディスプレイ側に表示される
Yoga Bookのペン入力を支えているのがワコムのデジタイザペンの技術。10mm離れたペンの動きを検知できるので、紙のノートなどを介した入力ができる
Yoga Bookを使った絵を描くデモ。細かいタッチを活かした絵も描くことができるようだ
Yoga Bookを使ったタイピングのデモ。物理的なキーボードと変わらない速度でタイピングができていた
Yoga Bookを使った手書き入力のデモ。紙に書いた文字や数式などがそのままディスプレイに表示されている

 本体のサイズは256.6×170.8×9.6mm、重量は690g。SoCはIntel製Atom x5-Z8550プロセッサー/2.4GHzクアッドコアを搭載する。メモリー(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GB、外部メモリーは最大128GBのmicroSDメモリーカードに対応する。8500mAhのバッテリーを内蔵し、最大70日のスタンバイ、最大15時間(Windowsモデルは13時間)の連続稼働を可能にする。ボディカラーはAndroid版がGunmetal GreyとChampagne Gold、Windows版はCarbon Blackのみが供給される。

 モバイルネットワークは2G(GSM)がBand 2/3/5/8、3G(W-CDMA)がBand 1/2/3/4/5/6/8/9/19、3G(TD-SCDMA)がBand 34/39、4G FDD-LTEがBand 1/3/4/7/8/12/20/25、もしくはBand 2/5/9/17/18/19、4G TDD-LTEがBand 38/39/40に対応する。SIMカードはシングルスロットで、Nano SIMカードに対応する。無線LANは2.4GHzと5GHzの両方に対応し、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠となっている。

 プラットフォームはAndroid版がAndroid 6.0.1、Windows版はWindows 10 HomeもしくはWindows 10 Proがプリインストールされ、それぞれのプラットフォームに合わせたアプリがプリインストールされる。価格はAndroid版が499ドルから、Windows版が599ドルからラインアップされる。グローバル向けには9月から順次、販売が開始される予定だが、日本市場については何もアナウンスされていない。

同時に発表されたキックスタンド付きの2in1 PC「Miix 510」。キーボードやスタイラスは同梱される構成
同時に発表された「Yoga 910」は13.9インチの4Kディスプレイ搭載モデルもラインアップされる

モジュールで拡張できる「Moto Z Play」

Moto Z Playは3510mAhの大容量バッテリーを搭載しながら、スリムな形状にまとめられている

 レノボグループ傘下でスマートフォンやウェアラブルデバイスを展開するモトローラは、モジュールで拡張できる「Moto Z Play」を発表した。

 モトローラは今年6月に米国で開催された自社イベント「Lenovo Tech World」で、同社のフラッグシップモデル「Moto Z」を発表したが、今回発表された「Moto Z Play」はバッテリー容量を強化し、より長時間楽しめることを目指したミッドレンジのモデルに位置付けられる。

 ディスプレイはフルHD対応の5.5インチのSuperAMOLEDを採用し、表面はコーニング製Gorilla Glassでカバーする。ボディは156.4×76.4×6.99mm、重量は165g。ボディカラーはBlack、Silver、Black Slate、White、Fine Gold、Sugar Whiteがラインアップされる。

電源ボタン、音量ボタンなどは他のMotoシリーズ同様、右側面にまとめられている
SIMカードスロットは本体上部に備えられている。イジェクトインで取り出すトレイ式のものを採用する
底面には3.5φのイヤホンマイク端子とUSB Type-C外部接続端子を備える
背面の中央上に備えられたリアカメラはわずかに飛び出している。中央下にはMoto Modsと接続するための端子を備える

 SoCはQualcomm製Snapdragon 625/2GHzオクタコア、メモリー(RAM)は3GB、ストレージ(ROM)は32GBモデルと64GBモデルがラインアップされ、microSDメモリーカードも装着が可能。外部接続端子はUSB Type-Cを採用する。背面には後述する拡張モジュール「Moto Mods」を装着するための端子が備えられている。

 バッテリーはMoto Zの2600mAHに対し、3510mAhの大容量バッテリーを搭載し、最大50時間(米国、欧州、中東、アフリカ向け)の駆動が可能。Motoシリーズでは従来から採用されている急速充電「Turbo Power」にも対応し、15分の充電で9時間の利用が可能になる。

 カメラはリアが16メガピクセルのイメージセンサーを採用し、F値2.0のレンズと組み合わせ、レーザーオートフォーカスに対応する。デュアルLEDフラッシュも搭載する。フロントは5メガピクセルのイメージセンサーを採用し、広角撮影とディスプレイによるフラッシュにも対応する。

 対応する周波数帯は地域によって異なるが、米国向けはCDMAが850/1900MHz、GSM/GPRS/EDGEが850/900/1800/1900MHz、UMTS/HSPA+が850/900/1900/2100MHz、4G LTEがBand 2/3/4/5/7/13、その他地域向けはGSM/GPRS/EDGEが850/900/1800/1900MHz、UMTS/HSPA+が850/900/1700/1900/2100MHz、4G LTEがBand 1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/20/28となっている。中国向けには4G TD-LTE対応モデルも投入される。SIMカードはNano SIMカードに対応し、いくつかの国と地域向けにはデュアルSIMモデルもラインアップされる。

背面にMoto Modsを装着しないときに利用できる「Moto Style Shel」はいろいろなカラーや材質のものが提供される

 Moto Z Playの発表では、今年6月のMoto Z発表時に明らかにされていた拡張モジュールの「Moto Mods」についても詳細が発表された。Moto Modsは本体背面にマグネットで装着できる拡張モジュールで、今回発表されたMoto Z Playのほか、Moto Z、米国向けのMoto Z Forceに装着することができる。今回はスピーカーユニットの「JBL Sound Booster」、光学10倍ズームカメラを搭載した「Hasselblad True Zoom」、モバイルプロジェクターの「Moto Insta-Share Projector」、拡張バッテリーの「Incipio offGRID PowerPack」の4つのユニットが発表された。

 JBL Sound Boosterは背面にキックスタンドを備えた拡張スピーカーで、3Wのスピーカーを2つ内蔵する。1000mAhのバッテリーも内蔵しており、最大10時間の利用が可能。充電はUSB Type-C端子を利用する。ペアリングなどの操作は必要なく、本体に装着すれば、本体のサウンドが出力される。音楽や映像コンテンツの再生だけでなく、スピーカーフォンとして利用して、電話会議などにも利用できる。価格は79.99ドル。

 Hasselblad True Zoomはスウェーデンの老舗カメラメーカー「Hasselblad(ハッセルブラッド)」と開発したカメラモジュールで、光学10倍のズームレンズを搭載する。センサーは1/2.3インチの12Mピクセルの裏面照射型CMOSイメージセンサーを採用し、レンズはF3.5~6.5、焦点距離は4.5~45mm(25~250mm:35mm換算)。静止画は光学手ブレ補正に対応し、キセノンフラッシュも備える。撮影した画像は一般的なJPEGだけでなく、RAWフォーマットでも保存することができる。価格は未定。

 Moto Insta-Share Projectorは70インチサイズに投影可能なプロジェクターで、解像度はWVGA(854×480ドット)に対応する。明るさは50ルーメン、コントラストは400:1。110mAhのバッテリーを内蔵し、最大60分の投影を延長することができる。バッテリーはUSB Type-Cの端子から充電する。価格は299.99ドル。

 Incipio offGRID PowerPackは2200mAhのバッテリーを備えた拡張バッテリーで、最大22時間の連続稼働を可能にする。標準モデルのほかに、kate spade newyorkとTUMIのデザイナーズエディションもラインアップされる。充電は一般的な充電のモデルに加え、Qi 1.2.1とPMA 3.0に対応したワイヤレス充電モデルもラインアップされる。価格は59.99ドルから。

Moto ModsのHasselblad True Zoom。光学10倍ズームが可能で、キセノンフラッシュも備える
Hasselblad True Zoomの上部。デジタルカメラと同じように、シャッターボタンの外側のつまみを回すことで、ズームができる。見た目は薄いデジタルカメラと変わらない
Moto ModsのMoto Insta-Share Projector。中央の親指のあたりに投影用のレンズが見える
Moto Insta-Share Projectorで映像を投影。手前の端末上の映像と同じものが壁に投影されている

 これらのMoto Modsを装着しないときのために、背面に装着するデザインカバー「Moto Style Shell」も用意される。木目調や革、布など、さまざまなデザインのカバーが用意されており、自由に交換することができる。価格は19.99ドル。

 また、今後、他社がMoto Mods対応モジュールを開発できるように、開発者向けプログラムも開始され、開発キットも販売される。

 今回発表されたMoto Z Play、Moto Modsは、米国や欧州などで、順次、発売される予定だが、日本市場への対応については何もアナウンスされていない。