【CES 2020】
ミドルレンジ以上ハイエンド未満の2機種を発表したサムスン
Galaxy Note10 Lite、S10 Liteを展示
2020年1月9日 11:41
サムスン電子は、「CES 2020」に合わせ、2機種のスマートフォンを発表した。「Galaxy Note10 Lite」と「Galaxy S10 Lite」がそれだ。2機種は、サムスン電子のブースに展示されており、来場者の注目を集めていた。ここでは、実機とともに、それぞれの端末の特徴などを確認していきたい。
Galaxy Note10 Liteは、Galaxy Note10、10+の核となる機能を残しながら、一部の機能を削ったり、性能を落とすことでコストダウンを図った端末という位置づけになる。Noteシリーズに位置づけられるため、Sペンは搭載しているが、Galaxy Note10で採用されたジェスチャー操作には対応しておらず、機能面はBluetoothで本体の遠隔操作が可能になったGalaxy Note9に近い。
ディスプレイも6.7インチで、画面上にインカメラ用の穴があけられた「Infinity-O Display」を採用するが、Galaxy Note10とは異なり、左右が湾曲しておらず、正面からはベゼルも見える。解像度は1080×2400ドットのフルHD+。精細感でも、フラッグシップモデルのGalaxy Note10+が一歩リードするが、画面にかなり近づいて見なければ、その違いは分かりづらいかもしれない。ワイヤレスチャージに非対応なのも、Galaxy Note10シリーズとの違いと言える。
チップセットは、サムスン製の「Exynos 8895」で、これはGalaxy S8などに搭載されていたもの。2世代ほど前のチップセットで、処理能力としてはミドルレンジモデル以上、ハイエンドモデル未満といった位置づけになりそうだ。カメラは広角、標準、望遠のトリプルで、いずれも12メガピクセル。Galaxy Note10シリーズは横一列にトリプルカメラやToFカメラが並ぶデザインだったが、Galaxy Note10 Liteには、iPhone 11シリーズやPixel 4シリーズのようなやや縦長の四角い“台座”のようなパーツが設けられている。
対するGalaxy S10 Liteは、チップセットがSnapdragon 855になり、処理能力は現行のハイエンドモデルと同等。カメラはトリプルカメラだが、Galaxy S10シリーズのように望遠カメラは搭載されない。代わりに搭載されているのが、5メガピクセルのマクロカメラで、カメラの操作画面からマクロモードを呼び出すことができた。標準カメラは48メガピクセル、広角カメラは12メガピクセルで、仕様はGalaxy Note10 Liteとも異なる。
ディスプレイサイズは、Galaxy Note10 Liteと同じ6.7インチで、画面上部中央にインカメラ用の穴が開くInfinity-O Displayを採用する。Galaxy Sシリーズとして、中央部分にパンチホールを設けたのは初。カメラを左上に厚め、モジュール化している点もGalaxy Note10 Liteと同じだ。サムスン電子は、Galaxy SシリーズとGalaxy Noteシリーズをデザインでも差別化していたが、2機種はそのどちらとも少々見た目が異なる。Galaxy SシリーズやGalaxy Noteシリーズを継承したというより、Liteシリーズとして統一感を持たせている印象を受けた。
2機種のLiteモデルを発表したサムスンだが、同社は昨年1年で、幅広いラインナップの5Gスマートフォンを投入してきた。CESのブースにはこれらの端末も展示し、ゲームや動画などで4Gとの比較ができるようになっていた。サムスン電子は他社に先駆け5Gスマートフォンのラインナップを増やしており、CESに先立つ形で、2019年には670万台の5G端末を販売したことを発表した。米国での存在感も大きいため、こうした強みをアピールする狙いがありそうだ。
中でも、5G対応版のGalaxy Foldは人気が高く、同モデルを展示したコーナーには長い行列ができていた。Galaxy Fold自体は、すでに米国でも販売されているが、展示機の台数も少ないため、自由に触れる機会は限られている。話題のフォルダブルスマートフォンを見てみたいという来場者が、サムスンのブースに押し寄せたようだ。