【CES 2019】

画面がグニャッと曲がる折りたたみスマホ「FlexPai」の実機をチェック

 中国メーカーのRoyoleは、「CES」の併催イベント「Digital Experience」で、折りたたみスマートフォンの「FlexPai」を出展した。同社はCESにもブースを構え、8日(現地時間)から同モデルを公開する。FlexPaiは、2018年11月に中国で発表されており、現在販売中。米国でも「開発者向け端末として発売する予定」(担当者)だという。米国では同社のWebサイトを通じて販売され、価格は1318ドル(約14万4000円)を予定する。

折りたたみスマートフォンの「FlexPai」
ディスプレイを中央で閉じると、片手持ちが可能
開くと7.8インチになり、タブレットサイズに

 FelexPaiは、折り曲げが可能なプラスチックの有機ELを採用しており、本体中央のベゼル部分にヒンジが設けられている。背面側に折り込むように、グニャっと曲げることが可能だ。実際に本体を曲げている様子は、以下の動画を確認してほしい。

ディスプレイを表にした状態で、2つに折ることができる

 閉じるとスマートフォン、開くとタブレットというコンセプトは、ドコモから発売された2画面スマートフォンの「M」に通じるものがあるが、この端末は有機ELディスプレイそのものを折り曲げているため、開いた状態では完全に1枚のディスプレイとして利用できる。ディスプレイ側には中央に枠やヒンジがないため、映像が真ん中で途切れないのは、Mのような2つのディスプレイを組み合わせた端末との大きな違いといえる。

裏面には蛇腹状のヒンジが設けられており、この範囲内で折り曲げることが可能

 また、折り曲げた際の左右のベゼル幅が異なり、どちらを表にしても利用できる。ディスプレイのアスペクト比はベゼルが細い面が16:9、太い面が18:9。開いた状態では、4:3になることから、Royoleは3種類のアスペクト比で使えることをアピールしている。

 実機を手に取ってみたが、折り曲げた状態であれば、片手で操作したり、ポケットに入れたりすることができた。ディスプレイは最大で7.8インチ。中央で折り曲げても、通常のスマートフォンよりはやや大きめだが、「7.8インチサイズのタブレットにできる」ことを考えると、携帯性はいいといえるだろう。

 動作には、やや不安定なところもあり、折り曲げた動作に画面がきっちり追従しないこともあったが、アプリもきちんとアスペクト比に合わせてレイアウトが変わった。カメラは左側面のベゼル部分に搭載されており、デュアルカメラで画素数は16メガピクセルと20メガピクセル。折り曲げた状態でアウトカメラとして使えるほか、開いたまま起動するとセルフィーが撮影できる。

閉じたときと、開いたとき、それぞれにアプリの表示が最適化された
ベゼル部分にデュアルカメラを搭載
アウトカメラとして使うときは、本体を折り曲げる

 折り曲げた状態では、ディスプレイの端にランチャーが表示され、登録したアプリを一発で起動することができた。展示機のため、電話の着信などは試せなかったが、通知もこの欄に表示できるようだ。

ディスプレイの端に、ランチャーを表示させることができた

 FlexPaiは、チップセットにプレミアムモデル向けのSnapdragon 855を採用するなど、基本性能も高い。メモリは6GB/8GB、ストレージは128GB/256GBで、最大256GBまでのmicroSDカードにも対応。ディスプレイの解像度は広げたときの最大値で1920×1440ドットとなる。OSはAndroid 9 Pieベースの「Water OS」を採用するという。

折り曲げた部分はやや厚みが増す

 折りたためるスマートフォンは、メーカー各社が開発に乗り出しており、11月にはサムスンも開発者向けのイベントのステージ上で、プロトタイプを公開。ユーザーインターフェイスについては、Googleとも協業している。さらに、一部報道ではファーウェイやOPPOなどの中国メーカーも水面下で開発を進めていると言われており、2019年の新たなトレンドとして注目を集めている。