【CES 2019】

心電図測定や血圧計、新たな方向に進化するヘルス系ウェアラブルデバイス

「CES Unveiled」レポート

 「CES 2019」の会期直前に、主に中小の出展企業のユニークな製品を集めて報道陣に公開するCES公式イベント「CES Unveiled」が今年も開催された。

Withings

 Withingsは、「CES 2019」に合わせて発表した新製品「Withings Move」と「Move ECG」、「BPM Core」を展示している。

Withings Move

 「Withings Move」はアナログ時針を持つクラシックスタイルな腕時計型のアクティビティトラッカー。同社のシリーズの中では、69.95ドルという価格設定と5種類のデザインバリエーションにより、より幅広い層をターゲットとするエントリーモデル。安価なモデルではあるが、従来モデル同様に運動と睡眠を24時間トラッキングすることが可能で、ボタン電池で最長18カ月稼働する。CESでの発表と同時にアメリカでの予約受付を開始しており、2月5日に発売される。

Move ECGで心電図を測定する状態

 「Move ECG」もアナログ時針を持つクラシックスタイルな腕時計型アクティビティトラッカーだが、心電図(ECG)を計測・記録し、心機能の健康状態を分析する機能を持つ。心電図を計測するときは、「Move ECG」を装着していない方の手で電極のベゼルを触る形式で、定期的に自動計測するのではなく、任意のタイミングで計測する形になる。こちらも充電式ではなく、ボタン電池で最長12カ月稼働する。

 「Move ECG」は今年の第2四半期に発売予定で、価格は129.95ドル。医療機器としてアメリカのFDA、欧州のCEの認証を取得するべく、現在審査を受けている。日本での発売に関しては、日本での医療機器の認定取得が困難なため難しいとのこと。

BPM Core。血圧計のカフにポンプやバッテリーなどの入った筒が付いている形状。円盤状のものは聴診器センサー
聴診器を胸の側面に当て、もう片方の手を電極に触れることで心音と心電図を同時に測定する

 「BPM Core」はIoT血圧計「BPM」シリーズの最上位モデル。血圧計に加え心電図計測機能が加わり、さらに聴診器センサーで心音も計測し、より心機能の状態を詳しく知ることができるようになっている。従来モデルの「BPM+」はBluetoothのみに対応し、計測にはスマートフォンが必要だったが、「BPM Core」はWi-Fiにも対応し、単体での計測・クラウドへのデータアップロードが可能になっている。また、「BPM+」は乾電池交換式だったが、「BPM Core」では充電式となる。

 「BPM Core」も今年の第2四半期に発売される予定で、価格は249.95ドル。こちらも医療機器としてアメリカのFDA、欧州のCEの認証を受けるために審査を受けているが、やはり日本での発売は難しいとのこと。「BPM」シリーズはこれまで日本で販売されたことはない。

オムロン

オムロンのComplete。本体側にスマホを置いてディスプレイ代わりにするので、内蔵ディスプレイは小さい

 心電図測定機能を持ったデバイスとしては、オムロンは心電図測定機能を追加した家庭向け据え置き型血圧計「Complete」という新製品を展示している。心電図表示などの機能を使うときはスマートフォンを組み合わせるようになっており、本体中央がスマートフォンスタンドになっている。本体の左右上面と側面にある電極を両手で触れることで心電図を計測する。

 「Complete」は今年中の商品化を予定しており、スムーズにいけば今年前半には発売されるとのこと。価格は199ドルを予定している。

HeartGuide。ディスプレイには時刻や消費カロリーなども表示できる。データはスマホに送って管理できる

 このほかにもオムロンは腕時計型の血圧計「HeartGuide」も展示していた。こちらは過去のCESにも開発中のモデルが展示されているが、ようやく開発と認証取得が終わり、アメリカでは昨年末より予約受け付け、1月8日から出荷が開始される。価格は499ドル。日本でも今年秋ごろをの商品化を目指しているという。

 「HeartGuide」はちょっと大きめのアクティビティトラッカーくらいのサイズ感だが、腕を締め付けるためのポンプが内蔵されており、いつでも血圧が測定できる。