法人携帯の満足度はドコモが首位、スマホソリューションに課題も


顧客満足度ランキング(出典: J.D. パワーアジア・パシフィック2012年日本法人向け携帯電話・PHSサービス調査)

 J.D. パワー アジア・パシフィックは、国内の法人向け携帯電話・PHSの顧客満足度調査の結果を公表した。ドコモが4年連続で満足度1位となった。

 今回で4回目となるこの調査は、100名以上従業員がいる企業の電話サービスの管理および意思決定者を対象に実施された。調査時期は6月で、郵送調査によって2764社から3646件の回答を得た。なお、この調査結果にはデータ通信カードは含まれていない。法人向け端末の顧客満足度調査は、営業対応、電話機/サービス、コスト、トラブル対応の4つの軸で満足度を聴取している。

 今回の顧客満足度ランキングでは、1000点満点で630ポイントを獲得したNTTドコモがトップとなった。調査開始以来の首位を譲らず、4年連続の1位となる。同社は、営業対応と電話/サービス、トラブル対応の3つのファクターで最高評価を得た。

 2位は617ポイントを獲得したauで、コストで最高評価を得たほか、残り3つの要素でドコモに次ぐ評価を得ている。以下、ソフトバンク(561ポイント)、ウィルコム(555ポイント)と続く。なお、J.D. パワーによれば、ランキングの1位から4位までのポイント差は2011年よりも縮小しているという。

モバイルソリューションはスマホが活発

 法人のスマートフォン利用率は、2011年の19%から2012年は25%に拡大した。なお、モバイルソリューションの利用率は、スマートフォンの導入企業が44%であるのに対して、フィーチャーフォンなどを利用している企業の22%を上回った。

 スマートフォンとフィーチャーフォンそれぞれのモバイルソリューションは、内線電話の利用率こそ同程度だが、スマートフォン向けのソリューションは、リモートアクセスサービスやメーラーやスケジューラー、システム連携などの分野で圧倒的に高い利用率となった。

スマホ向けソリューションは満足度が低い

 モバイルソリューションがスマートフォンで積極的に活用されている一方で、満足度はスマートフォンの方が低い。これは、スマートフォンを利用した際の通信品質やトラブル対応の満足度が低いためで、フィーチャーフォンに比べスマートフォンは、トラブル内容の把握に時間がかかり、最終的にトラブルが解決しない割合が高いとされた。

 J.D. パワーでは、モバイルソリューションの導入を契機に法人向け端末をスマートフォンへ移行させる企業が増加すると予測する。しかし、トラブルが起きた場合に対応の難易度が高く、満足度を低下させる要因になるとしている。付加価値の高いサービスを提供すると共に、サポート体制の強化が求められると結論付けている。

 




(津田 啓夢)

2012/8/30 20:07