石野純也の「スマホとお金」

軽くなった「iPad mini(A20 Pro)」に合う回線とは? タブレット用プランやサブブランド、MVNOを比較

 ディスプレイを有機ELに刷新し、これまでよりも軽くなったiPad miniが11月6日に発売されます。チップセットは最新の「iPhone 18 Pro」シリーズと同じ「A20 Pro」で処理能力は十分。ディスプレイは8.5インチと、iPhone Duoを開いた時よりも大きい一方で、重さは255gへと軽量化されています。

 薄型化・軽量化を果たしたという点で、iPad miniは、今まで以上に持ち運びながら使えるタブレットに進化したと言えるでしょう。折りたたむことはできませんが、iPhone Duoより価格が安いのもiPad miniのメリットです。そこで気になってくるのが通信手段。ここでは、通信のためにどのような方法があり、いくらかかるのかを探っていきます。

11月6日に発売されるiPad mini(A20 Pro)。ディスプレイを刷新し、薄型化・軽量化に成功した

モバイル通信対応は必要? コストで選ぶならWi-Fi版に

 iPad miniは、他のiPadと同様、Wi-Fi版とWi-Fi + Cellular版の2つに分かれています。価格は11万9800円からになりますが、その最安価格はWi-Fi版のものです。コストを抑えてiPad miniを使いたいというのであれば、Wi-Fi版を選ぶのがマストになってきます。同容量でも、モバイル通信が可能なWi-Fi + Cellular版を選ぶだけで、価格は14万4800円になります。

 Wi-Fi + Cellular版の方が高いのは、モデムだけでなく、ネットワーク試験や認証などのコストも乗っていると思われますが、その差額は2万5000円。今回登場するA20 ProのiPad miniは、これまでよりも価格が上がっていることもあり、なおさらここは節約したいと考える人が増えてくるかもしれません。

Wi-Fi + Cellular版は14万4800円から。Wi-Fi版より、2万5000円高くなる

 とは言え、Wi-Fiだけだと、好きな時に好きな場所で通信できないのも事実。特に出先で使うような時には、必ずしもWi-Fiスポットがあるとは限りません。そこで頼りになるのが、スマホのテザリングです。

 特に、アップル製品同士だとこの相性がよく、iPad側からiPhoneのテザリングを有効にして、自動的に接続することができます。iPhoneはカバンやポケットの中に入れたままでOK。接続のひと手間はかかるものの、iPad mini側の操作だけで完結するため、比較的スムーズにネットにつなぐことができます。

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アップル製品同士だと、連携がしやすくなる。iPad側から、iPhoneのインターネット共有(テザリング)を呼び出すことも可能だ。画面はiPad Pro

 料金プランにもよりますが、最近の無制限プランは一定の容量のテザリングも含まれているため、iPhone1台分の通信料だけでiPad miniも使えることになります。上記のように、Wi-Fi版の方が価格が安いだけでなく、毎月の通信料も0円にできるというわけです。イニシャルコストである端末代はもちろん、ランニングコストも抑えられるのがWi-Fi版のメリットです。

ドコモは、テザリングの容量制限がない。ドコモMAXなどのプランであれば、無制限で利用できる

 一方で、テザリングは上記のように接続のひと手間がかかるほか、切断時にはバックグラウンドでの受信などもできません。また、人が多い講演会場やイベント会場のように、混雑していると、十分な速度が出なかったり、つながらなくなってしまうこともあります。iPad mini側を母艦にして、他の機器をテザリングでつなぐといった使い方もできません。安い分、デメリットもあると言えます。

大手キャリアはタブレット用シェアプランがお勧め

 ロックを解除したらすぐに通信ができ、バックグラウンドでメールやメッセージなどの受信もできるという点では、やはりWi-Fi + Cellular版がお勧め。上記のように、端末価格は2万5000円高くなってしまうものの、12回払いであれば、1カ月につき、2000円ほどの差しかありません。用途が広がることを考え、Wi-Fi + Cellular版を買っておくのもアリと言えるでしょう。

 ちなみに、筆者はiPad miniではありませんが、iPad Proを購入する際に必ずWi-Fi + Cellular版にしています。やはり、すぐに通信が可能になるのは使い勝手がいいことに加え、バッテリー容量が多いiPad ProをWi-Fiルーター代わりにすることもできて便利だからです。

 ランニングコストである通信費も、そこまで高くありません。1回線目に大手キャリアを使っている場合、その回線とペアにできるタブレット用プランが用意されているからです。ドコモ、au、ソフトバンクのいずれも、料金は1000円台と安いため、負担感を抑えられます。

 例えば、ドコモは「5Gデータプラス」を用意しています。前回の連載で説明したとおり、12月1日から値上げの対象になっていますが、それでも料金は1210円。ドコモMAXなどの無制限プランだけでなく、段階制になるahamoともペアで持つことができ、使い勝手がいいタブレット用プランと言えます。いずれの場合も、データ容量は最大30GBです。

ドコモの5Gデータプラスは月額1100円。12月から1210円になる。ドコモMAXなど、選べる主回線には制限もある

 auにも、「タブレットシェアプラン 5G/4G」というデータ容量シェアを前提にした料金プランがあります。こちらの月額料金は、1100円。25年に実施した値上げの際にも、このプランは料金据え置きになっており、比較的安価にタブレット用回線を維持できます。使い放題の料金プランと組み合わせた場合、こちらの回線は30GBまで利用ができます。

auのタブレットシェアプランは、月額1100円。値上げは実施していない

 ソフトバンクには、「データシェアプラン」があります。こちらも値上げ対象にはなっておらず、料金は1078円。3キャリアの中では、最安で2回線目を持つことができます。ソフトバンクは2社とやや異なり、容量制限はプランごとに異なります。旧料金プランの「ペイトク無制限」では50GBでしたが、「ペイトク2」では無制限になり、直近30日間で親回線と合算した通信量が300GBを超えた場合に速度制限がかかる仕組みになっています。

ソフトバンクのデータシェアプランは1078円と安い。しかも5回線まで持つことができる

 なお、ドコモの5Gデータプラスやauのタブレットシェアプランは、スマホ1回線につき、1回線まで紐づける形ですが、ソフトバンクのデータシェアプランのみ、最大5回線の子回線を紐づけることが可能。iPhoneをベースにしつつ、iPad miniやPCもまとめてデータシェアプランを組むことができます。デバイスを使い分けるガジェット好きには、いい仕組みと言えそうです。

ワイモバイルにも専用プランが、povoもお勧め

 また、いわゆるサブブランドでは、ワイモバイルにも「子回線専用プラン」というものが用意されており、現行の「シンプル3」などに紐づけることができます。こちらは、サブブランドらしく料金も安くなっており、シンプル3と組み合わせる場合には539円しかかかりません。さらに、キャンペーンとして「シェアプランセット割」が提供されており、事実上、無料で1回線を追加できます。

ワイモバイルにも、データ容量をシェアできるプランがある。しかも料金が実質無料

 逆に、KDDIのUQ mobileには、同様のタブレット用データシェアプランはありません。ワイモバイルだけでなく、オンライン専用料金プランのahamoにもデータシェアをする仕組みはあるため、対応には期待したいところです。また、楽天モバイルも、データシェアの仕組みはなく、もう1回線、同じ料金の回線を契約する必要があり、3GBを超えると、2回線目としては少々割高感が出てきます。

 では、主回線がこうしたサブブランドやキャリアの場合、タブレット用の回線はどうしたらいいでしょうか。ランニングコストの観点でお勧めできるのは、基本料が無料のpovo2.0です。しかもpovo2.0の場合、トッピングで必要なデータ量を買い足していくことができるため、家から持ち出さない日もあるiPad miniのようなタブレットとの相性は抜群と言えるでしょう。

 ベースとして3GBで990円のトッピングを購入しておき、動画視聴などでガッツリ通信したくなった時には、250円で「データ使い放題(6時間)」などを購入する手があります。また、月によって利用量に波がある場合、365日トッピングを購入しておいて、変動を吸収しながら使う手もあります。一例を挙げると、「60GB(365日)」のトッピングは1万3200円。1カ月あたり、1100円とリーズナブルに利用できます。

毎月の変動が大きくなりがちなタブレットは、トッピングを採用するpovoとの相性がいい

 似たような使い方ができるのが、ソフトバンクの「データ通信専用3GBプラン」。こちらは、3カ月間月額990円、以降1738円とデータシェアプランより料金は高めですが、「時間制ギガ無制限オプション」を使ってデータ容量を1時間ずつ無制限にすることができます。1時間の料金は110円。また、3GBでいいのであれば、auの「タブレットプラン3 5G/4G」という選択肢もあり、こちらは1100円と料金も安めです。

ソフトバンクのデータ通信専用3GBプランにも、1時間、110円で使い放題にするオプションが用意されている

 さらに、MVNOにもデータ専用プランがあり、一般的に音声通話の設備を使わない分、料金は安めに設定されています。例えば、IIJmioのデータeSIMであれば、料金は5GBで650円。キャリアのシェアプランを使うよりも、料金を安く抑えられます。このようにタブレット向け回線は比較的安価に維持が可能。確かにWi-Fi版より料金は上がるものの、Wi-Fi + Cellular版でも、毎月のランニングコストはそこまで高くならないと言えそうです。

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石野 純也

慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行なう。 ケータイ業界が主な取材テーマ。 Twitter:@june_ya