自走式食卓調味料入れ「PASS THE SALT」


「PASS THE SALT」は清潔感のある白い容器で、朝の食卓にもよく似合う

 海外に行って、大きなテーブルを囲んでみんなで食事をしているとき、斜め向かいのでっかい親父が、大声で、“Pass me the salt”と怒鳴った。怒鳴るんだったら自分で取れよ~と思うのが普通だと思うが、欧米のテーブルマナーでは、たとえそれが公共物で、個人の持ち物ではなくても、“相手のテーブル領域内”に存在するモノを、勝手に手を伸ばして取るのは失礼なのだ。

 基本的に自分の領域は、肩幅と同じで、深さはテーブルの中央までだ。もし、レディが、“Would you pass me the salt?”と言えば、にっこりと微笑み返して、立ち上がって、彼女の席までデリバリーしたい気持ちになるだろう。

 そんなシチュエーションで、本当に調味料入れそのものが自分で自分をデリバリーしてしまう面白商品がある。そのまんま「PASS THE SALT」と名付けられた“自走式調味料入れ”がそれだ。

 外観は、シンプル過ぎる白い食卓塩のボトルだが、ごく簡単な仕組みで、PASSのリクエストを受けた人が、食卓塩をリクエストした人に届けることができる逸品だ。

 「PASS THE SALT」の底面には、チョロQとほぼ同じ4つの車輪が装備されている。後輪2輪は動輪で、PASS THE SALTをテーブルにのせたまま“プルバック”(後ろ側に引っ張る)することで、自動的にゼンマイを巻き上げ、その反発力で、反対側(前)に前進する。

 後ろに引っ張るときの目印は、「PASS THE SALT」の一番下側にある小さな出っ張りだ。出っ張りを自分の方に向けて真っ直ぐに引っ張れば、その正反対方向に直進する。自宅のテーブル上でテストした限り、約20cm弱のプルバックで2m近い距離をかなりのスピードで爆走する。

 容器の内部に入れる食塩は、ごく普通にボトルのトップの蓋を捻って開き、食塩を入れるだけだ。入れる食塩の量でもスピードをコントロール可能なので、ベストなポジションを見つける楽しみもある。

 大きなテーブルで食事するときは、「PASS THE SALT」は、彼女のテーブル領域外の、しかしでき得る限り近くに置いておきたい。もちろん、“プルバックのプロ”になるまで、日々の練習はかかせないだろう。

コミカルなパッケージを見ているだけでも買いたい衝動が起こってしまそう内部に入れる食塩はごく普通にトップの蓋をネジって外して入れるだけ
底面にある自走式機構。左側2つがプルバック・ゼンマイで駆動する動輪一番底にある小さな出っ張りを手前に向けて自分の方にプルバックする

商品名実売価格購入場所
PASS THE SALT1680円ガラクタ貿易

(ゼロ・ハリ)

2010/7/9 06:00