本日の一品

絶対に買うしかない「一冊でも倒れないBOOK STAND」

今までありそうでなかった発想の「1冊でも倒れないBOOK STAND」

 暇なときはもうかれこれ20年以上も毎日の様に街中をほっつき歩き時にはWebショップのクローリングをやって「本日の一品」にご紹介するアイテムを探していると、様々な怪しい商品や貴重な商品にお目にかかることも多い。

 面白い商品に出会う確率は昔は街をいかに自分の足で細かく歩くかということがポイントだったが、昨今は国内外のネットニュースやクラウドファンディングへの注目が重要だ。筆者の様に素人が気まぐれで商品紹介のヨタ記事を書いていると正式な製品発表会に呼ばれることは殆ど無いのが現実だ。

 コレと思った面白そうな商品はそのほぼ全てを自腹で購入して使って紹介しているので販売元や製造元に忖度することも無い。一目見て気に入った商品が予想通り大当たりすることもあれば単に個人の変態的趣味だったのか一切鳴かず飛ばずの場合もある。

 そんな中で今回ご紹介する商品である「一冊でも倒れないBOOK STAND」は一目見た瞬間から”こいつは当たる!”がピンときた昨今では珍しい商品だった。今では品不足が続き納期は年末近くらしい。もちろん需要と供給の世界なのでプレミア価格を気にせず定価の2倍~3倍の資金があれば明日にでも手に入る。

パッケージがまんま”取説”になっているがこれだけで必要十分だ

 昔から1冊や2冊の安定性の悪い雑誌やマチの無い書籍を安定して本棚内で直立させるための工夫は数多くあった。典型的なアイテムは通常”ブックエンド”と呼ばれるレガシーツールだ。

 時代と共に様々なアイデアモノが登場してはきたが実際のところ”どんぐりの背比べ”的で抜きんでた実用モノはそれほど多くは無い。低価格市場競争からの脱却狙いでオシャレ側にデザインを振った商品はそれなりに高価なモノも多い。

 そんな市場参入チャンスの少ないジャンルに突然登場して話題をさらってしまった価値あるチープアイデア商品が「1冊でも倒れないBOOK STAND」だ。その素晴らしさは誰もが思いつきそうで思いつかなかった極めてチープなアイデアを実行に移したことだ。

 「1冊でも倒れないBOOK STAND」はパッと見、雰囲気は底板と背板がL字型に繋がったどこにでもありそうな幅20㎝弱のモバイル本棚だ。本の下辺が接する面には本が横滑りしないように浅い出っ張り線がある。側面には「1冊でも倒れないBOOK STAND」を複数個連結する為の特異な溝が配置されている。

基本はよくある移動できる簡易本棚だが要所要所に工夫が……
薄い本やCDを右側からスライドさせると厚みの分だけフラップが持ち上がる。側面下部には「1冊でも倒れないBOOK STAND」どうしを連結する切り込みがある

 そして何より楽しい発想は収納したい本を手前から奥に滑らせて押し込んだ時に本の厚さ分に相当する三角形の可動フラップが本に押されて奥に引っ込み、引っ込まなかった両隣のフラップ部分が押し込まれた本の表裏を支える構造になることだ。可動フラップは全部で23個あり、1個の幅は8.5㎜前後だ。

 薄い本やCDケースなら持ち上がる可動フラップは1個だけ。分厚い本なら2個や3個の可動フラップを同時に使用する仕組みだ。何れにせよ繰り返すが押し上げた可動フラップの両隣の動いていない可動フラップが本やCDの表裏を支える感じで絶対に転倒しない。もちろん目的の本やCDを抜き取ると可動フラップは手前に倒れて元の位置に復元し待機する。

薄い単行本や書籍、電子ペーパーデバイス、CD等を収納してみた。いずれも完璧に倒れない

 「1冊でも倒れないBOOK STAND」が便利なのは何処にでも持って行ける軽さとコンパクトさだ。それゆえ対応出来る場所や状況が多い。天井まで届く大きな本棚に収納した多くの書籍の前に置くテンポラリーな小さな本棚としても、本を立てかけたままあちこちに移動する為の本棚にもバッチリと使えそうだ。

 そして「1冊でも倒れないBOOK STAND」の底面の四隅に取り付けられた4個の丸いシリコンラバー製の滑り止めが秀逸だ。一冊も本を置置かない軽い状況でもデスク上やテーブル上に仮置きした「1冊でも倒れないBOOK STAND」は横から指で押すくらいでは微動だにしない。ストッパーとしては極めて優秀だ。

底面の4か所にあるスリップ防止シリコンは効果絶大だ

 発売日に購入して今までいろいろな使い方を試してみたが薄い本や雑誌以外にも便利に使えるモノを発見した。常時複数台のスマートフォンを持っている筆者はスマホスタンドに使えることに気が付き速攻でやってみた。これがなかなかスペースセービングには役立つのだ。

悪ノリで筆者のスマホを4台ほど並べて立てて見た

 しかし同時に少しオツムの回転のスローな筆者は”充電は面倒そう”という結論に至ってしまい目標達成前に諦めるところだった。ちょうどそのことをSNSに書き込んでいたところ旧知の友人から”スマホの上下をひっくり返したら良いだけじゃ?”と援護のコメントを頂き一瞬にして頭の中に立ち込めていた霧が晴れた感じだった。

スマホを上下さかさまにするだけで立てかけたまま充電も可能だった

 直ぐに実際に充電をやってみたところこれが極めて便利に使えるのだ。少し大きな10インチクラスのタブレットなら90度回転させて横型スタイルで充電出来た。「1冊でも倒れないBOOK STAND」を複数台連結すれば教室で使用する10台や20台のタブレットの充電は簡単だ。しかしこれはあくまで本来のBOOK STAND的の使い方では無いので個人のリスクで行う世界だ。

 使い始めた最初は拡張できて宅内持ち歩きも実現できる「1冊でも倒れないBOOK STAND」だと思っていたが発想の転換を試みてみればまだまだいろいろ未体験の活用範囲が広がる感じだ。株式会社リヒトラブは柔軟なチープアイデアでとてつもなく面白い商品を見せてくれた。人気の為に商品出荷が来年になってもマストバイアイテムの筆頭だろう。

楽しい着想がちりばめられた「1冊でも倒れないBOOK STAND」は工夫次第で使い方は広がる

・商品 「1冊でも倒れないBOOK STAND」
・価格 1100円(+消費税)
・販売 株式会社リヒトラブ