本日の一品

スマホもつながる万能ドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1300」

 自宅で使用していたスキャナー、「ScanSnap」が、ついに寿命を迎えた。漫画や小説を裁断して取り込む、いわゆる「自炊」のために購入したものだった。購入は実に12年前で、カウンターを見たら総スキャン枚数は36万枚超。大往生と言っていいだろう。消耗部品を何度も交換しつつ、よくここまでもってくれたものである。

 本棚から本は一掃され、電子書籍の普及とともに取り込む機会は大幅に減ったとはいえ、紙でしか出版されない書籍もまだまだあり、スキャナーはまだ必要だ。そこで12年ぶりに後継機種を購入することにした。

 選択したのは「ScanSnap iX1300」。エントリーモデルと位置づけられている製品だ。12年前は取り込む機会が多かったのでスタンダードモデルを選択したが、機会が減っていることを鑑み、すこしお安めのものを選んだ。

コンパクトな万能イメージスキャナー、PFU「ScanSnap iX1300」
サイズは2リットルペットボトルとほぼ同じ

 上位モデルとの大きな違いは、一度に紙をのせられる搭載枚数と、毎分の読み込みスピード。本機は20枚搭載、毎分30枚読み込みと、一つ上のモデル(50枚搭載・毎分40枚読み込み)に比べると見劣りする。本格的な「自炊」目的で使用するにはストレスに感じるかもしれない。ただ、理由は後述するが、実際に使ってみるとその懸念はある程度払拭された。

 使用感の前に具体的な機能の説明をしておくと、ScanSnapシリーズはいわゆるイメージスキャナーと呼ばれるもので、紙類をまとめてスキャンして画像保存する事を主目的として設計されている。そのため連続して紙を送り込むフィーダーが作りつけられており、快適にスキャンすることができる。また表裏を同時にスキャンできるようにセンサーが配置されているので、1回吸い込むだけで紙の両面とも読み取れる。「自炊」目的には定番となっている製品だ。

背面はWi-Fi切り替えスイッチと、Wi-Fi接続のWPSボタンのみ
ふたを開けると、書類を受けるシューターが連動して立ち上がる

 「iX1300」は2種類の読み込み方法が採用されている。1つは本体上・奥側のフィーダーから取り込んで、そのまま本体上・手前側にぐるっと回って排出される「Uターンスキャン」と、前面の取り込み口から吸い込んで、そのまま同じ位置に戻ってくる「リターンスキャン」だ。「Uターンスキャン」は複数枚数を連続して取り込む用途に、「リターンスキャン」は1枚ずつしか取り込めないが、紙が曲がらないので厚みのある紙の取り込みに向く。動作の違いは、動画を見ていただくのが早いだろう。

2種類のスキャン実演。最初が「Uターンスキャン」、2回目が「リターンスキャン」になる

 一般的にはパソコンとUSBケーブルで接続して使用するが、Wi-Fi経由でモバイルアプリと接続して使用することもできる。ちょっとした書類やレシートなら、直接スマートフォンの中に取り込める。用途次第では、パソコンがなくても運用できるだろう。

 使用感としては、「速い!」の一言に尽きる。比較対象が12年前の機種なので当たり前なのだが、こんなに速く感じるものなのかと唸ってしまった。一度に搭載できる枚数は前機種に比べて減ってしまったが、これだけ速いのなら、何回も紙を載せることくらいは、個人的には許容範囲ではないかと思う。厚みのある漫画の表紙など、前面からの「リターンスキャン」で読み取りやすくなったというメリットもあり、何千冊という本を取り込むのでなければ十分な性能と言える。

新旧機種比較。グレードが違う製品同士の比較なのでご参考まで。旧機種のヤレ具合が12年の歳月を物語っている

 干支も一回り、12年ひと昔で、機械は進化するものだなあと感じ入った次第である。

製品名発売元実売価格
ScanSnap iX1300PFU3万7400円
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