本日の一品

ほてった体を水で冷やせ! 水冷式ウエア「DIRECT COOL」を使ってみた

水冷式ウエア DIRECT COOL。冷凍ペットボトルを冷媒に使うという斬新な発想のウエアラブルクーラーだ

 今年の梅雨は、例年に比べて気温の低い日が多いが、そのぶん、晴れたり曇ったりした日との気温差が大きい。そうでなくとも暑さに弱く、ちょっとのことで大汗をかいてしまう筆者にとっては、これが苦痛でたまらない。

 そんなわけで、筆者はこれまで「どこでも冷却スティック」や「ネッククーラーNeo」といったペルチェ素子を使ったものから、ネックファン「Kirala Air Nino」など、さまざまな冷却グッズを試してきたが、今回、ボディ全体を冷やしてくれるアイテムを借りることができた。山善「水冷式ウエア DIRECT COOL」(以下、DIRECT COOL。正式名称および型番:DIRECT COOL DC-B01)だ。

500mlペットボトルを入れている割には、大きさを感じないデザイン
肌側に張り巡らされたチューブ

 これまでもウエアに張り巡らせたチューブ内を水が循環することで体温を下げる仕組みの“ウェアラブルクーラー”のようなアイテムが存在していたが、本製品は一味違う。

 というのも、水タンクに飲料を凍らせたペットボトルを入れておき、そこに追加した少量の水がチューブとペットボトルの間を循環するため、冷たさが長持ちするのだ。長持ちする時間は、外気温とペットボトルの容量によるところが大きいが、ペットボトル内の飲料が「解凍されてしまったな」と感じたら、新しいペットボトルと交換すればよい。駅構内にあるような小さなところでない限り、ほとんどどのコンビニでも凍らせた飲料を販売している。解凍したドリンクを飲めば、水分補給もできて一石二鳥だ。

凍らせておいたペットボトルを冷媒として使える。なお、循環する水の入っているタンクに突っ込むため、使用済みペットボトルは濡れてしまうということに注意が必要だ

 水を循環させるポンプは、専用バッテリーで駆動させる。バッテリー容量は3350mAhで、連続で約7時間動作する。電源ボタンの長押しでオンになり、短押しで「連続」「20秒作動 45秒停止」「20秒作動 1分30秒停止」のモードを切り替えられる。

電源となるバッテリーは、チェストベルトのポケットに収納する

 最初に試したのは、気温が一気に上がった室内だったが、つけて電源を入れた瞬間、「おおっ」と声を漏らしてしまった。冷凍ペットボトルの冷たさを背中に感じつつ、脇近くの太い血管が集まっている部分の上を這うチューブの水が冷たくて心地よかったからだ。

 実際、摂氏25.8度の室温で、水の循環しているチューブの温度を計ってみたところ、背中から最も離れていてぬるくなっているはずのところで摂氏22.2度、ペットボトルに最も近い部分で摂氏13度ほどであった。

ペットボトルが浸かることで冷えた水が、ポンプでチューブ内を循環する。長い距離を移動しただけでなく、クーラーの役割をするペットボトルから離れているため、ここの水温が最も高い。それでも室温より3度以上低い
凍らせたペットボトルに近いこともあり、ここの水温(チューブの温度)は摂氏13度ほどであった

 DIRECT COOLは、体から離れてしまっては意味をなさない製品だが、背中はもちろん、前面が体にフィットするようバックルが2本取り付けられている。これなら体から離れる心配はない。

バックパックのチェストベルトのようなバックルが2本取り付けられている。
高さを調整できるため、女性でも体にフィットさせられる

 クーラーをつけるほどではないが、少し動くと汗が出てしまうような室内や、気温の高い日のウォーキングや徒歩での買い物などに便利。もちろん、夏のツーリングにも有効だと感じた。

 残念なのは、背負う形状なのでバックパックと併用できないこと、また水を直接タンクに入れるため、シーズンオフ前の手入れが面倒なことだ。

 とはいえ、装着して電源を入れたときのあの「ヒヤッ」という感じは心地いいし、少しでも体を冷やしたいという需要にマッチした一品である。

製品名販売元販売価格
水冷式ウエア DIRECT COOL山善1万4080円