耳の中で膨らんで遮音性アップ、脱落も防止するAirPods Pro用交換イヤーピース

　高いノイズキャンセリング性能が売りのAirPods Proだが、イヤーピースそのものの遮音性能はそれほど高くない。表面がツルツルした素材であるせいか、装着してしばらくするとフィット感が薄れてきて、不意に脱落するというのが、筆者の場合によくあるパターンだ。

　今回紹介するのは、そんなAirPods Proの純正イヤーピースと交換して使う、Comply（コンプライ）のイヤーピースだ。指でぎゅっと潰してから耳の穴に入れることで、内部で膨らんでフィットするという、高級イヤホンや市販の耳栓などでよく用いられている仕組みで、純正イヤーピースと同じサイズになるよう設計されている。

AirPods Proに装着した状態。純正のピースと違い色はブラックだ

今回購入したのはS/M/Lがそれぞれ入ったアソートだが、サイズが決まっているならば単品を購入してもよいだろう

3サイズを並べたところ。低反発フォームなので微妙に形状が異なる

内側にメッシュが貼られている

AirPods Proから取り外した純正ピース（右上）と本製品（右下）を並べたところ。寸法はほぼ同じだ

　その効果についてだが、まさに「期待以上」。耳へのフィット感が劇的に向上し、これまで聴こえなかった音楽のディティールまではっきりと聴こえるようになる。高級なイヤホンに買い替えた時によくある現象だが、それがイヤーピースを交換しただけで体験できるというのは、正直驚かされた。

取り付けた状態。純正品に比べるとやや先が細くなっている

フォームを指先で押して圧縮したのち耳に入れると膨らみ、フィットする仕組み

　また筆者にとっての最大の恩恵は、耳から脱落しなくなったことだ。これまでは、うつむく姿勢になったり、また立ち上がったりするだけでポロッと落とすことがあったのだが、本製品に交換してからは、そうしたこともなくなった。また遮音性能も、ノイズキャンセリングをオンにした時とオフにした時との区別が、よりはっきりとつくようになった。

　今回購入したのは、純正品と同じS/M/Lの3種類が入ったアソートパックだ。筆者は左右の耳の穴のサイズがわずかに違うせいで、一方がMで一方がSという組み合わせで使っているのだが、このアソートならばこうした用途にも対応できる。純正品と同じサイズなので、交換後も充電ケースにそのまま入れられるのもよい。

純正の充電ケースにも問題なく収納できる

　現時点での不安要素としては、ウレタン素材であることから、純正品に比べて汚れなどにあまり強くなく、摩耗のタイミングが速いとみられることで、こればかりはしばらく使い続けてみなくてはわからない。実売価格3000円ちょっととやや値は張るものの、AirPods Proがいまいち耳にフィットせずに困っている人は、試してみるべき製品だ。