本日の一品
自由自在に縦横斜線が引けてコンパスにもなるおもしろスケール
2018年4月23日 06:00
21世紀を迎えてコンピュータアプリケーションによる製図が主流になるまでは、”ドラフター”と呼ばれる道具が花形選手だった。今も細々と一部で生産はされているようだが、製図作業支援の第一線からは遠ざかっている。
本日ご紹介する「ドラパス おもしろスケール 16」(DRAPAS 16)は、そんなドラフター機能の一部を全ての年齢層に優しく提供してくれる夢のあるミニ・ガジェットだ。そもそも、”ドラパス”というのは極めて奇妙な商品名だが、実はドラパスを販売している会社の名前も”ドラパス株式会社”というらしい。ネーミングの由来は同社のWEBページにも記述があるが、”ドローイング”と”コンパス”の両方を加えた造語らしい。
平成25年にこれまでの「三幸製図機械製作株式会社」から「ドラパス株式会社」に社名変更を行い、同社の企業名とブランド名が一致したようだ。戦前に創業された以前の会社名からも分かるように、英国式製図器の製造を生業としていたようだ。 もちろん現在も、主たる商品はコンパスをはじめとするプロ用の製図機械や製図関連用具、デザインやコミック系の用品が多い。そんな中で一風変わったコンシューマー向けの商品が本日ご紹介する「DRAPAS 16」という商品だ。
よく見かけるありきたりな直線定規に、回転ローラーと分度器をインテグレートした”おもしろスケール”だ。回転ローラーの外周には渦巻き状にセンチ目盛りが描かれ、直線定規のセンチ目盛りには1cmごとに穴が開いている。そして直線定規の長さによって、DRAPAS 16 (16cm)、DRAPAS 22 (22cm)、DRAPAS 30 (30cm)の3種類がある。
今回筆者の購入したモデルは一番コンパクトな「DRAPAS 16」。 テレビやネットで紹介されるやあっという間に売り切れになったが、筆者は昨年その騒ぎの前に手に入れていろいろ使っていた。
DRAPAS 16 の構造上の目玉はスケール付きの白いローラーだ。このローラーと穴あき定規を利用して、縦線や横線、斜線、一定間隔の平行線を引いたりすることができる。基本的にDRAPAS 16でできることは、横線を引く、縦線を引く、斜線を引く、円を描く、そして定規の長辺を横断する2本の青いストライプの間のクリアな空間を利用して、コンピュータ出力のリストを読むことも可能なようにデザインされている。
斜線は ローラーの中央部上に配置された小さな分度器を使って角度を設定し、ローラーをずらしながら、ローラーの目盛りを見て間隔をコントロールしながら自由自在に引くことが可能だ。ローラー外周に印刷されたセンチスケールは全部で12cm。5mm間隔の線なら5mmずつDRAPAS 16をずらしながら、全部で24本の平行線が引けるイメージだ。必要に応じてローラー右端の黒いリングを指先で回転させてローラー目盛りをゼロリセットすることも可能だが、精度に期待過剰にならないことが肝要だ。
そして、半径が1cm~16cmのセンチ単位の円や円弧を描くことも可能だ。DRAPASはモデルによって扱える画像サイズに多少の制約はあるが、ごく普通の三角定規や30cm定規で描ける図面より遥かに説得力のある図面を描くことができるだろう。
タブレット系のICTクライアント機器でもDRAPAS 16を試してみたが、液晶画面では一般的な紙用に作られたローラーの滑り幅が大きく、なかなか精巧な等間隔線の筆記は少し難しい。DRAPAS 16、22、30の3つのモデルを何にどう使うかは購入者のアイデア次第だ。筆者はひとまずいつも鞄に入れている15cm直線定規の代わりにDRAPAS 16を入れて持ち歩いている。
製品名 | 販売元 | 実売価格 |
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ドラパス おもしろスケール16 | ドラパス株式会社 | 609円 |